令和8年第2回定例会 6月議会報告
6月2日から19日まで、第2回定例会6月議会が開催されました。
令和8年度一般会計補正予算(第2号)では、リサイクルセンター排水管整備工事や里帰り等産婦健診に係る助成金、高齢者や子どもに関する熱中症対策に係る支援金など、1億2,499万6,000円が可決されました。また、補正予算(第3号)では、国の補正予算が決定されたことに伴い、プレミアム付き商品券増刷のための予算1,815万1,000円が可決されました。
市民から提出された陳情は6件で、2件が採択、4件が不採択となりました。
・地方消費者行政の維持・強化のための対策を求める意見書を国 会等に提出を求めることに関する陳情書→採択
・国に国民の主食である米の価格を統制することを求める意見書 の提出に関する陳情書→不採択
・原油・原材料高騰の打撃から経営難に直面する市内の事業者へ の支援を求める陳情書→不採択
・「原油由来製品不足による価格高騰における中小企業等への直 接支援制度の創設を国に求める意見書」提出を求める陳情書→不採択
・公立中学校における平和教育及び校外学習の政治的中立性と安 全確保を求める陳情書→不採択
・「女性差別撤廃条約選択議定書の速やかな批准を求める意見書」 の提出を求める陳情書→採択
なお、「「女性差別撤廃条約選択議定書の速やかな批准を求める意見書」 の提出を求める陳情書」については建設環境委員会に付託され、委員会では賛成少数で不採択でしたが、本会議では賛成多数となり採択されました。
陳情書が採択されたことに伴い
・地方消費者行政の維持・強化のための対策を求める意見書
・女性差別撤廃条約選択議定書の速やかな批准を求める意見書
を国に提出しました。
また、議員提出議案として審査され、国に対して提出された意見書は、
・中東情勢緊迫化に伴うナフサ由来製品の安定供給及び価格高騰対策を求める意見書
・皇室の伝統に基づく安定的皇位継承を確保するための法整 備の早期実現を求める意見書
の2件で、「皇室の伝統に基づく安定的皇位継承を確保するための法整 備の早期実現を求める意見書 」の提出については、反対討論を行いました。
他にも、国と米軍に対して「アメリカ空軍第4偵察飛行隊の横田基地移転について」要請文を提出しました。
一般質問
◇障がい児・者への切れ目のない支援について
就学期を終え社会人となる場合、支援を受ける機関等が変わるために、途切れてしまうことがあります。障がい児の就学期から成人期をつなぐ「社会へつなぐ支援」は、途切れることなく継続されることが大切です。
市では、「障害者自立生活支援センター すてっぷ」で就労に向けた支援、また、「福生市地域自立支援協議会」による自立生活の支援と障害者福祉の様々な課題について検討を行っています。令和6年度からは、5つの専門部会が設置され、計画相談支援、児童発達支援、就労・就業支援、生活介護や施設入所支援等に関する諸課題について、より専門的な見地から調査検討を行い、生涯にわたり、切れ目のない支援を受けられるよう、実際の障害福祉施策やサービスにフィードバックする取組を進めています。
令和6年度に特別支援学校高等部を卒業して「すてっぷ」につながったのは3名。その他の高校からつながった利用者はいませんでした。
子どもの発達障害等は、医師の診断があれば障害者手帳がなくても支援を受けられますが、福祉的就労は手帳がなくてはつながれません。就学期を終えるタイミングで「すてっぷ」につながることで、大人の発達特性による就労困難や長期無業状態の継続、ひきこもりの長期化等の課題に対応できると考えます。
支援を必要とする子どもが、地域の高校にも通っていることを考え、「すてっぷ」に関する情報を必要とする子どもや保護者に届くような周知と、義務教育を終える前に地域の支援機関を周知することを要望しました。
「福生市自立支援センター すてっぷ」のリーフレット
◇ケアする人も大切にされるための取組について
(1)介護者(ケアラー)支援について
ケアする人、ケアされる人の両当事者が共に尊重され、その権利が擁護されなければ、家族関係や介護者(ケアラー)の社会生活を守ることは難しいと考えます。
福生市地域福祉計画では、「相談しやすい環境づくり」「適切な相談先につなげる取組み」を推進しています。
「ケアラー自身が客観的に自分のつらい状況に気が付いたり、誰かに話してみよう、相談してみようという思いになること」の大切さであると考え、ケアラー支援に先進的に取り組んでいる他自治体のケアラー支援のためのリーフレットを紹介しました。
ケアラー自身が気づくことも適切な支援につながる重要な要素であると考え、リーフレットなど、先進自治体の取組みなどを研究し、相談支援体制の充実を図っていきたいと考えているとのこと。今後の取組に期待します。
神奈川県藤沢市の「ケアラー支援」に関するリーフレット
(2)ケアを必要とする家族のいる子ども・若者について
令和5年度に行われた「福生市こども計画」策定のための子ども・子育て支援に関するアンケート調査では、「子どもが「家族の中に世話をしている人がいる」と回答した小中学生がいます。
また、「ヤングケアラー」が「若者ケアラー」となっていく可能性があり、継続した支援が重要であると考えます。
市は、ヤングケアラーへの支援の今後の方向性として、認知度を高めることや相談しやすい環境を整備すること、また、支援に関しては家族の世話などに係る負担を軽減、または解消するため、家庭に対する適切なアセスメントにより世帯全体を支援する視点を持った対策を推進。ケアを必要とする家族への支援に携わる関係機関とも連携し、年齢によって途切れることのないよう、一人ひとりの状況に応じ、寄り添った切れ目のない支援に取り組むとのこと。
東京都が発行している「ヤングケアラー支援マニュアル」は、児童福祉、教育(学校)、生活福祉、障害福祉、高齢者福祉、保健医療、若者支援それぞれの関係団体に向けて、支援のポイントがわかりやすくまとめられていて、活用することがとても有効です。
令和8年3月発行の改定版は、都から直接関係機関に送付されているとのことで、再度周知していくとのこと。
分野を超えた体制整備・継続した支援が必要であると訴え、ケアされる側の状況に応じた対応が主となり、ケースワーカーや相談支援専門員、ケアマネージャー等がそれぞれの立場での専門性を発揮し、連携することにより家族を単位とした継続支援が可能であるとのこと。今後の取組に期待します。
◇3、ジェンダー平等の推進について
(1)福生市男女共同参画行動計画(第7期)策定の進捗状況について
「福生市男女共同参画行動計画」は、主要課題ごとに施策の方向性と各課取り組むべき施策が示され、市のジェンダー平等の推進のための大切な計画です。市は、第6期が令和8年3月までの計画期間であるため、第7期策定に向けて取り組んでいます。
令和7年度に「市民アンケート」を実施、令和8年度は審議会の設置し審議を行います。
4つの分野に分類した「市民アンケート」結果の分析では、「政治の場」や「社会通念・慣習・しきたり等」などで依然として男性優遇と感じる割合が多い、男女ともに仕事・家庭・個人生活をともに優先するという理想が十分に実現していない、DVを受けた際に専門機関の利用が低い状況、政策・方針決定の場における女性比率の増加を望む声がある一方で家事・育児・介護負担や長時間労働などが障壁となっている、有事の際の避難所運営における性別配慮が強く求められている等の状況と、それらに対する課題分析について質問で確認することができました。
「市民アンケート」では、女性支援法(困難な問題を抱える女性への支援に関する法律)に関連する項目として、認知度に関する項目が追加されました。DVを受けた際に専門機関の利用が低い状況を考えると、女性支援法の認知度を上げることが必要です。
計画策定に向けては、今後も注目していきます。
◇多様な子どもたちが共に学び合うための取組について
3月議会では、多様な学びの場への適切なアクセスのための教育支援委員会について取り上げ、教育支援委員会において判断された就学先について、合意形成に至らない場合があることが課題であるとのことでした。
通常学級には、多様な児童・生徒が在籍しているため、「多様な学びの場への適切なアクセス」と同時に「共に学ぶ」の両方を推進していくことが重要で、インクルーシブ教育システムでも、そのように推進することになっています。
また、同じ教室で学ぶ仲間として、全ての児童・生徒と保護者の理解が必要で、理解を広げるための取組が大切です。
令和7年9月に中央教育審議会が公表した「論点整理」には、通常の学級に在籍する学習面又は行動面で著しい困難を示す子どもの割合は、小学校で10.4%、中学校で5.6%であり、多様性を包摂し、一人一人の意欲を高め、可能性を開花させる教育の実現が喫緊の課題であると示されているとのこと。
市教育委員会では、個別指導計画や学校生活支援シートの活用に関する指導・助言を行うとともに、支援員の配置、心理士による巡回相談体制の整備、ICT機器の活用を推進する等の環境整備を土台とし、東京都教育委員会が作成した「特別支援教室の運営ガイドライン」により、3つのレベルに分けて実施しています。
レベル1として、全ての児童・生徒が教室で安心して学習や生活を送ることができるよう、個別の困難さを軽減するための基礎的環境整備、
レベル2として、こうした支援のみでは対応が難しい場合には、支援員による個別支援、宿題の量や内容の調整、気持ちを落ち着かせるための別室の確保、座席配置の工夫など、一人一人の状況に応じた合理的配慮、
レベル3として、個別の支援を行ってもなお困難さの軽減が難しい場合には、特別支援教室において、週1時間から8時間の範囲で、直接的な指導を実施しています。
理解を広げるための取組は、児童・生徒の交流や保護者会での説明、学校だよりや学校ホームページを活用した情報発信等を通じて解促進に努めています。
更なる理解促進の取組と人的支援と環境整備の強化を要望しました。
討論
○陳情第8-8号「女性差別撤廃条約選択議定書の速やかな批准を求める意見書」の提出を求める陳情書について賛成討論いたします。
生活者ネットワークは、ジェンダー平等を推進し、ジェンダー主流化の実現を目指し、市民等と連携し、取組を進めてきました。
本陳情書にあるように、ジェンダー平等の実現は、人権の尊重と持続可能な社会を支える土台として、国際社会全体が取り組むべき重要課題です。この課題に対処するための国際的な枠組みとして、国連では女性差別撤廃条約の実効性を高める選択議定書が、1999年に採択され、既に115か国が批准しています。
選択議定書の批准について、日本政府が一時期主張していた「司法権の独立との関係」について、法務省は、令和2年の国会で、選択議定書と司法権の独立が「必ずしも相いれないものとは考えていない」と答弁していますので、問題はありません。
令和6年10月の女性差別撤廃委員会による総括所見においても、日本政府に対し選択議定書の批准にあたっての障害を速やかに対処し、かつ取り除くよう改めて勧告がなされました。
令和8年に閣議決定された国の第6次男女共同参画基本計画では、「持続可能な開発目標(SDGs)や女子差別撤廃委員会など国連機関等との協調」の項目の中で「女子差別撤廃委員会や国連女性の地位委員会等における意見や議論を踏まえ、女子差別撤廃条約を遵守し、北京宣言・行動綱領に沿った取組を進める。」と示され、その具体的な取組の中で「女子差別撤廃条約の選択議定書については、早期締結について真剣な検討を進める。」と示されています。誰もが尊厳を持って生きられる社会を実現するためには、国内の仕組みを国際基準へと引き上げる選択議定書の批准が必要不可欠です。本陳情書を採択し、政府が具体的な取組を進めるための後押しとなるよう、福生市議会として意見書を提出すべきと考えます。
以上のことから本陳情に賛成であることを申し上げ討論といたします。
東京・生活者ネットワークも参加している「女性差別撤廃条約実現アクション」のリーフレット
○議員提出議案第1号「皇室の伝統に基づく安定的皇位継承を確保するための法整備の早期実現を求める意見書」について、反対討論いたします。 先ず、安定的な皇位継承を確保していくことは重要であると認識しております。
日本国憲法第1条「天皇は、日本国の象徴であり日本国民統合の象徴であって、この地位は、主権の存する日本国民の総意に基く。」。これは、天皇制がその時の国民の総意によって変化する、可変的なものであることを規定したものと解釈されています。
皇室典範において、男系の男子が皇位を継承することとなっていますが、これを見直さない限り、持続可能で安定的な皇位継承の確保にはならないと考えます。男系の男子に限定されても、必ず男子が生まれるわけではありません。女性皇族への男子出産という圧力がかかることは、避けなければならない課題であると考えます。古来より、「男系継承」と共に、その圧力も継承されてきたのではないでしょうか。日本国憲法第2条では、「皇位は、世襲のもの」と規定されています。可能な限り「直系」親子で皇位をつなぐことは、男女にかかわらず国民からの自然な信頼につながると考えます。それこそが憲法の定める「日本国民統合の象徴」となるのではないでしょうか。
国民の間では「女性天皇」を望む声や「女系天皇」を認めること、「直系長子」案も聞かれる中、「男系継承」のみを重んじることには反対です。
皇族数の確保については、本意見書にあるように、養子縁組を可能とする案もありますが、日本国憲法第14条の「法の下の平等」や「貴族の禁止」に反するのではないかとの意見もあります。また、民間人として生活してきた人が皇族となった場合に国民から信頼を得ることや、対象となる方のご意見を十分に伺うなど慎重な対応が求められるものと考えます。
高市首相に提出された「立法府の総意」については、13党派のうち賛成は7党派、反対が4党派であり、これを総意とは言い切れないと考え、法整備の早期実現を要望することはできません。
以上のことから、本意見書提出には反対であることを申し上げ、討論といたします。

