YSC グローバル・スクール 見学しました

勉強中!

写真中央が田中さん

福生市内を拠点に、主に若年無業者の支援活動を行っているNPO法人青少年自立援助センターの定住外国人子弟支援事業部が運営している、YSC グローバル・スクールを見学させていただきました。
昨年度までは子ども日本語教室という名称で運営し、文部科学省の「虹のかけはし事業」として補助を受け、福生市内だけでなく近隣自治体に住む外国籍や外国にルーツを持つ子どもたちに、日本語学習の支援を行ってきました。
「虹の架け橋事業」が終了した今年度からは、利用者の実費になりますが、福生市に住む日本語学習の支援が必要な子どもたち(中学生年代で支援が必要と認められた子ども)は公費で支援を受けています。
福生に暮らす子どもたちは、誰でも福生の子ども…というのが市の考え方です。

見学させていただいたのは午後の学習が始まった時間で、日本語を学ぶクラスと数学を学ぶクラスが学習を行っていました。先生は、日本語教育のための講習を受けた専門家で、日常会話だけでなく文法や高校受験のための教育を行っています。各教科を学ぶには、日常会話ができるだけでは不十分です。
自習をしている子どもたちもいて、学習支援だけでなく、子どもたちの居場所にもなっています。

外国にルーツを持つ子どもは、様々な課題に直面しています。
学習機会が少ない、学校内でのサポートの機会が少ない、学習についていけない、差別、偏見、いじめ、不登校、進学機会が小さいなどがあげられますが、まずは、日本語を習得することが課題解決につながってくるようです。
しかし、母語発達機会が不足し、母語喪失に陥った場合は、保護者とのコミュニケーションが取れなくなる等の問題が発生してきます。日本語と母語の両方を学んでいく機会をつくらなければならないようです。

今年度から名称を「YSC グローバル・スクール」に変更し、日本人も受け入れるようになりました。「いろんな人が暮らしているのに、外国人だけで集まっているのも不健全な気がするから。」と、統括コーディネーターの田中さん。
新年度が始まると、子どもたちが学校からたくさんの配布物を持ってきて、その対応に追われるといいます。学習支援だけでなく、学校生活や習慣、保護者に対する助言や支援もしているそうです。

田中さんは、「今後は、学習支援はもちろんのこと、いろんな子どもたちが集まれるの居場所づくりをしていきたい。その中では、支援している若年無業者と言われる若者たちが、子どもたちを支えていけるような取り組みもしていきたい。」とお話しされました。

福生市には現在、58か国の外国籍住民が暮らしています。その子どもたちも福生に暮らすひとりとして、大切にしていかなくてはと思いました。