福生市議会建設環境委員会視察 自動運転バスについて・松本城公園の桜の維持管理について
所属する建設環境委員会の行政視察で、岐阜県岐阜市と長野県松本市に行ってきました。
●10月1日(木)岐阜県岐阜市



岐阜市は現在、人口約39万人高齢化率約29%で、バス利用人口は人口全体の約2.8%となっています。また、2040年には人口35.1万人まで減少、年少・生産年齢人口は減少し、老年人口は増加する見込みで、全国的な傾向と同様となっています。そのような将来を見据え、岐阜圏域全体の発展を推進するためのエンジンとして極めて重要なゾーンを「岐阜市センターゾーン」として位置付けています。このゾーンは、JR岐阜駅から再開発事業で整備された「柳ケ瀬エリア」、ぎふメディアコスモスや市庁舎のある「つかさのまちエリア」、長良川付近から岐阜公園のある「岐阜公園エリア」をつなぐ通りで、それぞれのエリアごとに特色ある取り組みが進められています。このエリアをつなぐ通りに自動運転バス「GIFU HEART BUS」が運行されています。単に公共交通として導入されただけではなく、まちづくり全体を見据えた施策の中で導入されたことは、重要な視点であると感じました。
公共交通を取り巻く現状として、全国的に問題となっている運転手不足対策にも取り組んでおり、新規採用の運転手に市営住宅の1年間の無償提供を行い、事業者(岐阜バス)は、家電を提供するなどしています。岐阜市は市域が広く、自治会単位や複数の自治会が共同した地域でコミュニティバスの運行もされており、バスを運行する事業者と連携して取り組むことは有効であると感じました。また、このような連携・協力を事業者と進めてきたことが、事業者や大学、警察、道路管理者、自治会等がメンバーとなっている「岐阜市公共交通自動車運転技術活用研究会」での議論を円滑にしていくことにもつながったのではないかと感じました。
令和元年に、国交省のスマートシティモデル事業「重点事業化促進プロジェクト」と、内閣府の近未来技術等社会実装事業に選定され、「岐阜市公共交通自動車運転技術活用研究会」で検討、自動運転実証実験を経て、令和5年から、中心市街地では全国初となる自動運転バス「GIFU HEART BUS」の5年間の継続運行をスタートさせました。継続して運行するなかで段階的にインフラ整備をすすめ、社会受容性の向上を図り、レベル4(ドライバーフリー)での自動運転の実装を目指しています。現在の運行主体は岐阜市ですが、運行管理をBOLDLY(株)に委託し、そこから岐阜乗合自動車(株)(岐阜バス)にオペレーター・遠隔監視者を、(株)日本タクシーにオペレーターを再委託しています。その後は、民間事業者へ運営主体を譲渡し、市は補助する形にしていくとのことです。
自動運転バスの性能や信号機の協調システム等の技術的な課題をクリアしていくことは、安全性の面からとても重要ですが、これは技術を持ち合わせている事業者に委ねる部分が大きいのではないかと思います。自治体としては、社会受容性の向上と自動運転バスの運行のための道路等のインフラ整備を推進していくことが重要であると思います。
社会受容性の向上の一つとして、水戸岡鋭治氏のデザインを採用し認知度向上のための取組としたことは、とても有効であると感じました。赤色のデザインとハートのロゴは、街なかで目立ち、愛着がわくのではないかと思いました。また、イベントでの市民へのデザインの説明や乗車体験、試乗会等の取組は、市民により身近に感じていただけたのではないかと思いました。自動運転のうち、手動運転に切り替える割合は運行中1%程度で、そのほとんどは違法駐車による車両を追い越すための操作であるとのことですが、それも以前よりは減少しているとのことです。認知度向上の取組の成果であると感じました。
初期投資だけでなく車両のメンテナンスやシステム管理費等の継続した支出などの費用面での課題、車いす対応等のバリアフリー対応での課題など、検討すべき事はまだありますが、運営主体を民間事業者へと移していくことを前提としての取組であることなど、市民に欠かせない公共交通の在り方として、今 後も注目していきたいと思います。
●10月2日(金)



松本市は、近隣自治体と2回合併し、現在の広大な市域となっています。美ヶ原高原や乗鞍高原、上高地等の豊かな自然や市内各所にある温泉、市街地には美術館や博物館等もあり、多くの観光客が訪れるまちです。数ある名所の中でも、国宝の松本城は市の中心市街地に位置し、観光名所であるとともに、まちのシンボルであり、松本城公園としても整備され、市民の交流の場や憩いの場にもなっています。昭和30年代に植栽されたとのことで、その景観も含めて大切な地域資源となっています。このような場所に桜を残していくことの必要性を感じました。
松本市議会経済文教委員会では、令和6年度に「史跡松本城の桜の管理に関する提言書」を取りまとめ、令和7年4月に市へ提出しています。その提言書に基づいた市の取組について視察させていただきましたが、現地を訪れることで、桜の維持・管理の可能性について、実感をもって考えることができました。
現在ある桜を保存・延命する取組として、すべての桜について「樹木診断カルテ」を作成し、具体的な管理方法を検討していくことは、植栽された年や場所によって生育状態が異なる桜それぞれに対応し、有効であると感じました。実際の桜を見ても、それぞれ個性があり、1本ずつ必要な処置として、樹木医の見解から施肥、不定根誘導処理、土壌灌注が実施されていました。桜周辺の人の立ち入りの制限や芝を除去する等により、生育向上について一定の効果が見られるとのことです。提言書では、松本城管理課に樹木医を配置することが提言されていましたが、樹木医が少なく、配置は困難とのことでした。現在は、造園業者が受託する庭園・樹木管理業務委託の中で、樹木医等による樹勢調査や必要な処置を年3回実施しているとのことで、専門家による調査や管理が重要であると感じました。
平成30年に樹木医による樹木総合診断業務委託の調査で示された、桜のひこばえを残し最終的に活力の低い主幹との入れ替え更新させることが望ましいとの報告を受けたことで、年3回の樹勢調査・診断の中で、ひこばえの選定をしています。主幹との入れ替え更新を行った桜はまだありませんが、育ってきている実際のひこばえを見ると、その可能性を実感しました。
松本城の桜は、国の史跡であることから植え替えることができませんが、樹木医の診断により、ひこばえとの入れ替え更新を行っていく取組を進めています。福生市の多摩川沿いの桜並木も重要な地域資源の一つであり、市民の心のより所でもあり、守っていく必要があります。植え替えることができないことから、このようなひこばえとの入れ替え更新を行っていくことが必要だと思いました。また、クビアカツヤカミキリの被害が拡大していることから、早期の対策が必要であると思いました。
