全国都市問題会議~市民協働と公共の拠点づくりを考える~

10月11日から二日間にわたって開催された「全国都市問題会議」に参加しました。
今回のテーマは「市民協働と公共の拠点づくり」で、先進的な取り組みをしている自治体のいくつかと、NPO法人など市民の立場からの発言を聴くことは、とても刺激になり、改めてまちづくりの面白みを感じることができました。

会場となった新潟県長岡市は協働の精神が息づいているまちで、その象徴でもある複合施設「アオーレ長岡」の居心地の良さ、空気感にも感動しました。
ぜひ、また訪れてみたいと思いました。

 

アオーレ長岡1階にある大きな窓の議場

正面3階はガラス張りの市長室

長岡まちなかキャンパスのロビー

NaDeC Baseのオープンスペース

子育ての駅こそだてひろばの様子

こそだてひろばに併設されたまちなか絵本館の様子

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

第80回全国都市問題会議報告

1、会議日程
平成30年10月11日(木)から12日(金)
2、会場
新潟県長岡市 シティーホールプラザ アオーレ長岡
3、主催
全国市長会、(公財)後藤・安田記念東京都市研究所、(公財)日本都市センター、長岡市
4、協賛
(公財)全国市長会館
5、テーマ
市民協働による公共の拠点づくり
市民協働による公共の拠点は、手法や組み合わせなど地域によってさまざまである。地域の現状や 課題を踏まえて取り組むことが、地域の魅力をより引き出すことにつながる。
市民協働による公共の拠点づくり、市民協働による地域づくりを各地で進められるよう、「市民協働に携わる人材の育成」「公共の拠点となる場所の活用」「まちづくりでの取り組み」を念頭に置き、市民や市民団体の活動とこれに対する行政の連携・支援の在り方などを考え議論を深める。

6、行政視察
アオーレ長岡と中心市街地コース 視察先・アオーレ長岡(議場ほか)、まちなかキャンパス長岡、子育ての駅ちびっこひろば(まちなか絵本館)、NaDeC BASE

第1日目 10月11日(木)

基調講演 『地方分権へのまなざし』

東京大学史料編纂所教授 本郷 和人

 

日本は古代の昔から、都を中心としてまとまる中央集権の国とされてきたが、果たしてそうだろうか。貨幣を例にとると、和同開珎が流通していたのは都の周辺だけであって、その他の土地では絹や米等の物々交換が行われてきた。日本の歴史は、天皇の歴史であると同時に武士の歴史でもある。それぞれの藩や地域に特色があり、そこに根差した教育で人材を育ててきた。それが、黒船襲来とともに各地の人材が中央に集り明治維新となった。中央集権の国となった。

現代の日本の黒船に変わる脅威は人口減少である。この脅威に立ち向かうには、地方の自治権を強く後押しするべきではないか。地方からのボトムアップこそが、新しい日本を支えていく。地方を栄えさせることによって日本全体が栄えていく、明治維新に反するもの明治維新に代わるものが必要だ。

 

 

  • 主報告 『長岡市の市民協働』

長岡市長 磯田 達伸

 

長岡藩は戊辰戦争後、「人づくりこそすべての根幹である」という「米百俵」の精神、「士民協働」によるまちづくりへの気概が培われるとともに、殖産興業におけるイノベーションを創り出すことで復興してきた。その精神は、長岡市となった今も受け継がれ、市民協働によるまちづくりが進められている。理念や市民と行政が協働できる仕組みや環境整備を推進するため、平成24年6月に市民協働条例を制定した。この条例は、市民委員と行政が30回のワークショップを重ねて創り上げた手づくりの条例だ。同年4月には、ながおか市民協働センターが開設されていて、市とNPO法人が協働で運営している。

また、屋根つき広場「ナカドマ」を中心に、アリーナ、市民交流スペース、市役所、議会などの機能が一体となった複合施設シティホール「アオーレ長岡」がオープンし、協働のまちづくりの中心となっている。施設全体の稼働率は84.9%で、これまでのイベント回数654件のうち557件が民間主体のイベントだ。ナカドマやアリーナを中心に、市民の自由な発想の場となっている。公共の場は、市民が顔を合わせて話す情報交換の場になっている。

長岡版総合戦略として「長岡リジュベネーション~長岡若返り戦略~」を策定し、若者が活躍できるまちづくりを目指している。その1つが、市内3大学1高専から提案を受けたNaDeC構想を推進する事業だ。米百俵の発祥地である国漢学校跡地に「人づくり・産業振興」の拠点となるNaDeC BASEを平成30年6月に開設。学生を中心とした使い手がトライ&エラーを繰り返して運用を考え、みんなで育てていく施設だ。

市内産業・事業活動に3大学1高専の技術革新を活かした活性化、若者が新しいビジネスに向けたチャレンジができる環境整備、常に最適な行政サービスを提供する意識と新しい技術や発想を取り入れた業務の改善・再構築への取り組み、子どもや若者が意欲に応じて学べる場をつくり、長岡版イノベーションを担う人材を育てる。これらの視点を重要視しつつ、暮らしの安心と活力あるまちの実現に向けて取り組む。

 

 

  • 一般報告『市民との対話と連携で進める津市の公共施設マネジメント』

三重県津市長 前葉 泰幸

 

このまちは、古くは伊勢神宮へ向かう旅人が行き交う宿場町として栄え、伝統的に自分たちのことは自ら決めるという自治のまちでもある。公共施設マネジメントにおいても、十分な説明を行い広報で経過報告するなど、市民との意思疎通に留意しつつ進めてきた。  公共施設の「不都合な真実」をあぶり出し、課題をオープンにしたり、市民との対話から聞き取った思いや願いを反映させるよう試みたり、市民との議論の場を設けたりした。市民が「言ってもムダではない」と思うようになってきているという実感がある。現在は、年2回の市民の声を聴く機会を設けている。今後も、市民の思いを把握し、その願いをかなえる公共施設マネジメントの実現に向け、市民との対話と連携を進めて取り組みたい。

 

 

  • 一般報告『場所の時代』

建築家・東京大学教授 隈研吾

 

これまでは、建築が世界を流通する巨大な商品となっていたが、1990年の不況以来、経済の波を超越できる建築について考えた。それは、その場所に徹底的にこだわることだ。その場所の材料、職人を使い、気候、環境と調和し、人々が本当に必要としている建築をつくることだ。  東日本大震災をきっかけに、小さな場所に着目した。強いと思っていたコンクリートがことごとく破壊された。バブル崩壊後、小さな建物を地元の職人と一緒につくるという経験をしたが、その時に「小さな場所」の力を知った。そして東日本大震災の後、小さな場所を輝かせる建築をつくりたいと思った。

建物そのものよりも、その建物があることでまちがにぎわいを創出することができる存在だ。市民にリビングとして使ってほしい美術館、子どもが裸足で駆け回る図書館、緑と小川とメダカのいる役所など、その場所に必要とされている建物を、市民との対話(ワークショップ)でつくってきた。アオーレ長岡もその1つだ。

 

・筑波大学客員教授 森 民夫(アオーレ長岡の発注者として) 市民協働の拠点となる市役所づくりという、抽象的なものの具現化のために、その理念をはっきり示すことが大事だ。コンパクトシティの利点を生かし、市の機能を計画的に分散することで、市民が集う場を確保した。アオーレ長岡は市役所とアリーナ、ナカドマを配置し、市民が集う場所をつくり、市民協働の拠点とした。中心市街地のにぎわいの創出は商業だけではない。アオーレ長岡は、成人式や音楽祭、大相撲、フィギュアスケート、高校生長岡ラーメン選手権、保育園の遠足と多くの市民に活用されている。

・アートディレクター 森本 千絵

にぎわいを担当してほしいという依頼を受けた。これは、市民とこの場をつなぐ役割なのだと理解した。先ずはサイン計画を実行、鳥をイメージしたサインを信楽焼きで作った。他人事を自分事とし、市民の声を集めるようワークショップをするうちに輪が広がっていった。子どもの発想に大人が耳を傾け、それを形にして未来に残す。「なつかしい未来」という言葉を大事にしている。大手広告代理店のように一気に広げるのではなく、一人ひとり人づてに伝えていくことを大事にした。

 

第2日目 10月12日(金)

 

  • パネルディスカッション

コーディネータ 明治大学政治経済学部 地域行政学科長・教授 牛山久仁彦

 

「市民協働による公共の拠点づくり」

市民との協働は、地域デモクラシーともいえる。人口減少・少子高齢化・災害などに対応するには、市民協働と公共の拠点づくりが大事だ。この拠点をどのようにつくっていくのか。地域の担い手を育むことや団体をつなぐために、行政はどのような役割を担っていけばいいのか考えることが大事だ。

 

 

☆高知県須崎市長 楠瀬 耕作

「人・モノ・金の好循環を目指して」

全国平均よりも10年早く高齢化が進み、人口減少が進んでいることを考え、6年まえから「持続可能なすさきまちづくり」を標榜し、住民自治力強化に取り組んでいる。  まちづくりのエンジンとなる「須崎未来塾」は、地域資源を磨き活用するとともに、消費ではなく創費(自らの労働等を費やして創り出すこと)のできる人材育成の取り組みだ。修了生の中には地域で起業する人もいる。空き家利活用となる「市街地再生」は、未来塾と並行して進めてきた。その中で、すさきまちかどギャラリー等をつくってきた。住民自治を目指した「集落活動センターあわ」は、①教育協働部会②移住促進部会③観光交流部会④特産品部会⑤高齢者福祉部会の5つの部会を中心に、地域課題解決を図っている。  人づくり、空き家活用、地域課題解決を住民参加で進め、地域でお金のまわる仕組みづくりにもチャレンジしている。拠点整備が課題だ。

 

☆埼玉県和光市長 松本 武洋

従来から地域運営によるコミュニティ施設として、コミュニティセンターと地域センターを市内に配置してきた。管理は地元の利用団体の集合体である管理協力委員会が担っているが、地域センターは地元町会が中心となっている。地域包括ケアや子育てに関する活動、市役所の行事など地域活動の受け皿として機能してきた。しかし、町会加入率が40%を切り、他の60%の住民を取りこぼさないようにするため新たな展開が必要になった。NPO法人等との協働を進め、地域に特化せず全市的な役割を担うこととした。  高齢化率39,4%の団地では「まちかど保健相談室」、駅近くの利便性のある住宅街では乳幼児の保護者が集う「もくれんハウス」など、その機能に特色を持たせている。  地域包括ケアの拠点づくりでは、大胆な民間との協働を推進。地域包括支援センターはすべて民間が運営するほか、デイサービス等の拠点も民間が担っている。市民との協働による拠点づくりは、これまでの施策の一角を担うだけでなく、参加協働により市民の地域への愛着を形成している。

 

☆長岡市国際交流センター「地球広場」センター長 羽賀 友信

「長岡の市民主体のまちづくり」

平成16年10月23日の新潟県中越地震後、合併予定だった山古志などほとんどの地域が被災地となり、高齢化に加えて人口減少が一気に加速した。復興の過程で、地域課題解決のための第三者機関としてNPO法人がいくつも立ち上がり、各集落では市民会議も開かれ、住民参加型で集約された意見は行政へと手渡された。

その後、地域の復興を支援するファシリテーターとしての地域復興支援員設置制度や、復興期終了後には地域おこし協力隊が設置され、住民参加型ワークショップの開催やファシリテーター・プレゼンターなど多くの人材が育った。  このように市民協働の下地ができ、アオーレ長岡・市民協働センター設置の検討の中で30回のワークショップを重ね、平成24年市民協働条例が生まれた。市民協働センターの登録団体は現在539団体あり、活発に活動している。

 

☆東京理科大学理工学部建築学科教授 伊藤 香織

「シビックプライド醸成のコミュニケーションポイントから考える「拠点」」

シビックプライドは「都市に対する市民の誇り」という意味だが、単に町自慢や地元への親近感ではない。郷土愛とも似ているが、当事者意識に基づく自負心であると言える。近年は、自治体やまちづくりの現場で多く使われるようになった。現代では、政治参加・地域と人のつながりやボランティア・クリエイティブクラスの個人が公共精神をもって都市の進行を助けることへの期待、地域イベントによる積極的社会参加・地域のプロスポーツチームの応援などが例としてあげられる。  シビックプライドは単なる個人の感情ではなく、まちの中の象徴や市民の行動となって表れてくるものだ。こうした市民と都市との接点を「コミュニケーションポイント」と呼んでいる。シビックプライドそのものをデザインすることはできないが、コミュニケーションポイントはデザインできる。このような場の在り方を①町は可塑的であることがわかる②未来は重ね合わせられる③体験できる④共有できるというキーポイントでまとめることができ、一人ひとりの創造がまちを変えられるとイメージできるような場、俯瞰的なまちと自分の生活を重ね合わせ思い描けるような場、理解するだけでなく体験できる場、他者に考えを知り意見交換できる場が求められていることがわかる。  コミュニケーションポイントは間口を広く、目的のあるなしに関わらず多くの市民が集まることで、人材が育つ環境となり、何らかのエッセンスを感じる事ができる接点を用意する、そうした拠点づくりが必要ではないか。

 

☆NPO法人子育てひろば全国連絡協議会理事長 奥山千鶴子

「子育て支援から見た公共の拠点づくり」

子育て家庭の流動性は高く、自分の育った市区町村以外で子育てをする母親は全国平均で72,1%となっていて「アウェイ育児」と呼んでいる。孤立する母親が多く、地域子育て支援事業(ひろば事業)は重要だ。  親子が地域の中で安心して過ごせる場所、親同士が知り合い、子どもを育みあえる場所が必要で、子どもたちにとっては乳幼児期を過ごした場所として「ふるさと感」につながり、その後の人生に大きな影響を与えると感じている。  横浜市では、2000年市民活動推進条例が制定され、市民協働の基礎がつくられた。その流れの中で、各区に1館の子育て支援拠点整備がスタートした。委託契約と協働協定書を結んでいたが、現在は協働契約書だけを結ぶ方式へと統一された。  子育て支援は生活を応援することであり、行政の一方的なサービスではなく、市民の声を聴き、市民の参画を得て、より効果的で継続的な支援をすることが重要だ。市民が意見表明できる機会と具現化へのプロセスに参画することで、このまちに住んでよかったという実感につながる。子どもが生まれたことで地域に関心が深まるこの時期こそ、地域で参画できる市民を増やしていけるチャンスだと思う。

 

 

  • 行政視察

アオーレ長岡と中心市街地コース

長岡駅を中心にし、様々な市民の集う拠点がある。そのいくつかを視察した。

・アオーレ長岡(議場ほか) 長岡の伝統である市民協働・市民交流の拠点として、平成24年4月に誕生した。屋根つき広場「ナカドマ」を中心に、アリーナ、市民交流スペース、市役所、議会などの機能が渾然一体に溶け合う、まったく新しいコンセプトを形にした公共建築で、市民の創造性を刺激するコミュニケーションの空間だ。建築家・隈研吾氏の設計で、木を基調としている。1階にある大きな窓の議場やガラス張りの市長室も特徴だ。市民協働とともに、開かれた行政・議会の象徴でもある。オープンテラスや福祉カフェでくつろぐ市民の姿も多くあった。

・まちなかキャンパス長岡

学びの場、交流を促進する場、学びと交流を創出による中心市街地の活性化を目的に、市内に在る3大学1高専と市の協働により平成23年9月3日にオープンした。主な事業は2つ。1つは施設の貸し出しで、会議室をはじめ、ダンス・音楽・料理など用途に応じた全11部屋を貸し出している。年間延べ85,000人の利用があり、稼働率は71,5%だ。2つ目は講座等の企画・運営で、学びのニーズやステージに応じた講座を開催している。平成29年度は86講座145コマ開催。企画・運営は、まちなかキャンパス長岡運営協議会が担っている。

・子育ての駅ちびっこひろば(まちなか絵本館)

子育ての駅は、長岡オリジナル「保育士や子育てコンシェルジュのいる屋根付き公園」で、冬の時期、子どもを連れていく場所がないとの保護者の声に応え、雪国長岡でも1年中のびのび遊ばせることができる施設を、公園として設置した。市内4カ所の子育ての駅に加え、全地域に地域版子育ての駅が設置されている。ちびっこひろばは中心市街地に位置し、まちなか絵本館が併設されている。牛乳パック等を使った手作り遊具と寝ころがって絵本が読めるスペースがある。司書や読み聞かせボランティアとの協働や一時あずかり保育、ファミリーサポートセンター事務局があり、様々な機能を持つ。平成23年4月から、教育委員会に「子育て支援部」を設置、教育と子育て支援の充実を図っている。さらに、平成28年には「こども未来部」に改称し、さらなる子育て支援に取り組んでいる。

・NaDeC BASE(ナデック ベース)

市内の3大学1高専と商工会議所、長岡市の6団体で設立したNaDeC構想推進コンソーシアムが運営する。NaDeC BASEを活動の場に、更なる産業振興をめざし、大学間連携や産業連携を通じて、長岡の時代を担う人材の育成と、企業活動の支援を進める。起業やものづくり、サービスづくり、情報発信などを支える「ワンストップ窓口」「コラボスペース」「知識を磨くセミナー室」「アイディアを形にする工作室」などをオープンスペースに整備し、新しい人材、新しい技術、新しいアイディアを生み出し、地域の活性化につなげる。

 

 

所感

 

今回のフォーラムでは、「市民協働に携わる人材の育成」「公共の拠点となる場所の活用」「まちづくりでの取り組み」を前提に、市民や市民団体の活動とこれに対する行政の連携・支援の在り方などを、それぞれの立場から伺うことができた。

会場となった長岡市は、協働が根付いているまちとして紹介されたが、それを活かすために市民が集い交流する場を様々な形で確保し、新たな協働を生み出す仕掛けをしている。その中心となっているのが、アオーレ長岡という場だ。設計者の隈研吾氏の言葉にも、場の持つ力や建物があることでにぎわいを創出することの大切さ、新たな建物はまちづくりだということを感じる事が出来た。

人材育成のための試みや若い世代を活かすこと、地域の大学や企業とも協働を進めていて、その場を中心市街地に配置している。福生市でも中心市街地活性化事業が進められているが、あらゆる世代が目的のあるなしに関わらず集うことで新たな協働を生み出していくような場が必要ではないかと感じた。

パネルディスカッションでは、須崎市と和光市の特色ある取り組みを伺った。特に和光市は、町会加入率が40%を切ったことでつながらなくなってしまった市民とのつながりをつくるため、地域ではなくその機能でつながることを協働で進めている。福生市においても町会加入率は平均で40%を切っていて、大変参考になる事例ではないかと思う。  また、シビックプライドとコミュニケーションポイントの関係性や、そのコミュニケーションポイントは「一人ひとりの創造がまちを変えられるとイメージできるような場」との説明を伺うと、どのように場をつくるかでまちのソフト面まで影響していることがわかる。アオーレ長岡は、まさにこのコミュニケーションポイントであると思う。

「子育て支援から見た公共の拠点づくり」では、乳幼児期から地域との接点を持ち、「ふるさと感」を持たせるということ、さらに、子育て期は行政との関わりも深くなり、地域に参画できるチャンスだとの言葉にとても共感した。そのためには、一方向だけの支援ではなく、コミュニケーションをとって進めるということの大切さがよくわかる。

このフォーラムと視察では、協働の場と人材の育成をどのように進めているか、様々な観点から伺うことができた。幼少期から地域で大切にされた実感を持ち、子どももまちづくりのパートナーとして参画する機会を持つことが大事だと改めて感じた。今後の活動に活かしたい。