令和6年第1回定例会 3月議会報告

2月27日から3月26日まで、第1回定例会3月議会が開催されました。

本議会では、令和6年度一般会計予算審査特別委員会が設置され、4日間にわたって審査が行われました。学校給食費の全額公費負担や小中学校の水泳指導の外部委託、熊川駅と東福生駅のバリアフリー化のための予算、市内地下水のPFAS調査の実施、地域の団体が運営する「長寿ふれあい食堂」の費用補助、こども計画の策定、1歳の誕生日に家事・育児パッケージを配布するバースデーサポート事業の増額など多岐にわたる事業で、355億4千万円が可決されました。

また、4月1日からは健康センターに設置されていた「子育て世帯包括支援センター」と子ども応援館に設置されていた「子ども家庭支援センター」が統合され、健康センターに「こども家庭センター」が設置されます。妊娠期からの切れ目ない支援が充実していくようチェックしていきます。

生活クラブ運動グループにしたま地域協議会から提出され継続審査となっていた『「脱原発・脱炭素と再生可能エネルギーへのエネルギー転換に向けた政策を加速することを求める意見書」提出を求める陳情書』については、再生可能エネルギー電力目標80%は現実的ではない、発電と送配電の所有権分離は電力の安定供給のリスクがある等の意見から否決されました。

市役所入り口付近 ファーストレディー  (米国・国立樹木園で育成された品種)

市役所入り口付近の木蓮

 

一般質問

1 誰もが自分らしく生きるための支援について
(1) 性的少数者への支援と差別をしないための取組について

これまで、性的少数者への支援や「東京都パートナーシップ宣誓制度の活用」などについて取り上げてきましたが、令和5年6月23日に「性的指向及びジェンダーアイデンティティの多様性に関する国民の理解の増進に関する法律」(LGBT法)が公布・施行されたことから、現在の取組について質問しました。

法の趣旨に基づき、「LGBTQについて考えよう」をテーマに令和6年1月に男女共同参画講演会と男女共同参画セミナー開催した。両講師ともに性的少数者の当事者の立場から、自身の経験を踏まえた対話形式を取り、セミナーではグループディスカッションを交えるなど、参加者からは「多様性とは何か、性とは何か、勉強になった」「未だ性的少数者に対する認識が低いことから、さらなる周知をしてほしい」とのご意見をいただいた。
小学5年生と中学1年生に作成・配付している啓発用ガイドブックに、令和5年度からは、性的少数者を含めた多様性について記載、児童期から認識が浸透するよう図っている。
また、市内公共施設等のトイレ内に、性的少数者に関する相談先や「東京都パートナシップ宣誓制度カード」などを設置し、相談先の周知を図っている。
性的少数者に寛容な社会の実現に向け、引き続き知識の普及啓発及び支援の充実に努めるとの回答でした。

性的少数者への理解が進む取組として評価しますが、トランスジェンダー等のDV被害に関する相談や避難、生活困窮者が宿泊できる無料定額宿泊所、グループホーム等の障がい者や高齢者施設なども、希望する性別でケアが受けられない等の課題があります。市のできる対策について検討するよう要望しました。

2 住み慣れた地域で暮らし続けるための支援について
(1) 障害者総合支援法等の改定に伴う市の対応について

障害者総合支援法等が改正されたことによる市の対応について、また、ピアサポートの人材育成や地域住民の理解などに関する考えや取組について質問しました。

障害者等が安心して地域生活を送れるよう、障害福祉課内の基幹相談支援センターに社会福祉士や精神保健福祉士等のケースワーカーを配置し、今後も相談支援体制の充実を図っていく。居住支援機能をもつ市内4ヵ所の事業所と協定を締結し、障害者の重度化や高齢化、親亡き後を見据え、相談支援や緊急時の受け入れ対応、一人暮らしの体験の機会の提供を行うなど、施設等からの地域移行の推進を図っていく。障害者ピアサポート研修を、希望される事業所等に案内し、福生市地域自立支援協議会にも情報共有を図るとの回答でした。

(2) 障がい者が高齢者となった場合の支援について

高齢障がい者が増加しており、介護保険制度に移行した後、受けられるサービスが変わることもあること、市民からもわかりにくいなどのご意見があったことから、障がい者が高齢者となった場合の介護保険サービスの円滑な利用の現状と課題について質問しました。

65歳の年齢到達により、一律に介護保険サービスの利用を優先的に促すのではなく、本人や家族を始め、障害福祉サービスの利用計画を作成する相談支援専門員から具体的なサービスの利用意向を障害福祉課のケースワーカーが確認をして、相談者の個別の状況に応じた対応をしている。サービス移行に同意の上、サービス担当者会議等の機会に情報共有を図る。障害福祉制度と介護保険制度の利用者負担上限額が異なるために利用者負担が新たに生じる場合があること、これまで利用していた障害福祉サービス事業所とは別の介護保険事業所を利用することになる場合があることなどの課題については、介護保険制度に関する説明と情報を提供、丁寧に意向を聴き取りながら支援をしているとの回答でした。

3 市民の健康づくりについて

健康ふっさ21(第2次)は、令和2年度に中間評価が行われ、その報告書では、中間評価のための「福生市民の健康に関するアンケート」が実施されており、改善した項目がある一方で、悪化したものあります。中間評価以降の取組状況について質問しました。
また、休養・こころの健康づくりの項目についての取組、また、3歳児の生活習慣に関する項目の改善が見られないことから、この項目についての取組状況について質問しました。

中間評価を受けて、課題の1つである栄養・食生活の「栄養バランスを考えている人が少ない」「自分の適性体重を知らない」に対しては、ヘルスチェック等成人保健事業を行うとともに、レシピ集の発行とそのレシピの内容を活用し講演会を行い、バランスの取れた食事に対する正しい知識の普及に取り組んだ。コロナ禍においては、ウォーキングの啓発として、福生の自然や文化を満喫できる「健康ウォーキングマップ紹介動画」を健康づくり推進員を中心に作成。母子保健事業では、「離乳食の作り方」「幼児期の歯磨き」についての動画を作成し公開した。
休養・こころの健康づくりの項目については、『睡眠と健康~あなたはちゃんと眠れていますか?』というテーマで「健康づくり講演会」を行い好評だった。
3か月児健康診査等から、「家族で食卓に着き、楽しく食事を摂ること」「1日3食摂ること」「早寝早起きの生活リズムが大切なこと」を継続して伝えているとの回答でした。

令和6年度一般会計予算審査

令和6年度一般会計予算については特別委員会を設置し、議長を除く18名の委員で、4日間にわたって審査が行われました。以下のような質疑を行い賛否の判断としました。
また、本会議最終日に賛成討論を行い、賛成多数で可決されました。

●組織改正の概要について
●公共施設マネジメント事務の地域懇談会の実施について
●消防団事務の団員準中型免許取得補助金について
●子育てひろば会計年度任用職員について
●子ども応援館の活用について
●福東テニスコート人工芝改修工事と武蔵野台テニスコート人工芝改修工事設計委託の環境配慮タイプの人工芝導入の検討について
●市民税事務のうち定額減税にかかるシステム改良委託について
など

賛成討論

長い間続いた新型コロナウイルス感染症の影響も、感染症法上の分類が5類へ移行されたことで制限がなくなり、ようやくまち全体が元気を取り戻してきたのではないかと感じている一方で、物価高騰の影響など、生活への経済的な不安はしばらく続くのではないかと思われます。そのような中編成された令和6年度一般会計予算は、3年連続で過去最大の予算額となるとのことでした。

本定例会本会議初日、加藤市長の施政方針では、昨今の日本社会に対して言われている「失われた30年」にも触れておられましたが、私も、この「失われた30年」とコロナ禍の影響により増していた停滞感から抜け出すときに来ているのではないかと感じています。そのためには、先ず、市民一人ひとりが自分らしく充実した生活を送ることが大切であると考えます。

予算審査においては、「長寿ふれあい食堂」の運営に要する補助金の創設や「児童発達支援センター」での発達に関する相談や専門的な療育の提供等と、多様性が尊重される社会づくりに向けた性的少数者に関するセミナーの開催や事業実施2年目となる「高齢者デジタルデバイド対策事業」の実施など、年齢や性別、障がいの有無などにかかわらず、地域で安心して、充実した生活を送るための、居場所や交流の機会、相談機能の充実などについて確認することができました。また、「長寿ふれあい食堂」の運営に要する補助金の創設や「こども食堂」を運営する団体への補助金の増額、「プレイパーク」の委託にかかる予算の増額など、全体の予算から見れば少額かもしれませんが、市民の力を生かし、地域で支えあう共助を市が公助として支えるというこの形は、市民活動を支えることにより地域に活力が生まれ、一人ひとりの充実感につながるのではないかと考えます。生活者ネットワークは、こうした取組について評価し期待いたします。

教育については、小・中学校の水泳指導の外部委託化の検証や部活動の地域連携・地域移行に向けた検討委員会の設置など、新たな取組に注目するとともに、教育センター機能の充実など、課題解決に向けた取り組みについても審査の中で確認いたしました。

子どもたちにとって、コロナ禍の影響は大きく、子どもの居場所となり得る場、学校教育以外の活動の場の必要性を強く感じてきました。

予算審査においては、「スタディ・アシスト事業」の実施や「ふっさっ子が選ぶ 未来に残したい福生の風景、写真コンテスト」の開催、公民館の「子ども企画講座」の実施や図書館の「ジュニア司書養成講座」の実施などを確認いたしました。主体性・自発性を育み、子どもの好奇心と学ぶ力を引き出す活動の場となることを期待し、社会教育・生涯学習の分野だからこそできる「こどもまんなかふっさ」の取組と子どもの居場所となりうる活動の場をつくることを評価いたします。

審査中には、様々な行政課題への対応や効率的な業務執行体制の整備のために行った組織改正について確認し、変化する社会情勢に即した対応がなされていることとも確認いたしました。

以上のことから、令和6年度福生市一般会計予算について賛成であることを申し上げ討論といたします。

予算審査特別委員会での採決の様子

陳情第5-14号
『「脱原発・脱炭素と再生可能エネルギーへのエネルギー転換に向けた政策を加速することを求める意見書」提出を求める陳情書』に対する賛成討論

原子力発電については、東京電力福島第一原子力発電所事故の原因が特定されていないこと、未来に残り続ける核のゴミの問題と責任、ウラン鉱山と原子力発電所で働く労働者の被ばくの問題、老朽化した原発の廃炉の問題、事故に対応した住民の避難計画の不備など多くの問題があり、これまでも脱原発を進めるべきと発言してまいりました。また、核燃料サイクルは崩壊しており、持続可能なエネルギーとは言えません。さらには、海水を多く使用する原子力発電は、温排水による影響も懸念されています。日本政府が、東京電力福島第一原子力発電所事故以来、原発への依存度を下げるとしてきた方針を撤回し、原発推進へと方針を転換しましたが、脱炭素のためには原発推進ではなく、持続可能な再生可能エネルギーを推進するための政策を早急に進めるべきです。この陳情では、2035 年の再生可能エネルギー電力目標を80%とすることを求めていますが、このような積極的な目標を掲げることが必要であると考えます。

発電と送配電の所有権分離については、多くの先進国で実施されてきました。 独立した送配電会社は自社の利益のために、全ての発電・小売り会社を顧客として平等に扱うようになります。発電設備から切り離して独立させ、中立的な立場となり、すべての電力事業者が平等に利用できるようにすること、さらには再生可能エネルギーの優先接続で、脱炭素を加速させることが必要です。2020年には、大手電力会社の送配電網を子会社にする「法的分離」が実施されましたが、行為規制が緩く違反時の罰則も甘い、陳情の要旨にあるように日常的な不正閲覧等の問題もあり、所有権分離は必要です。

2014年に関西電力大飯原子力発電所の運転差し止めを命じる判決を出した福井地裁の元裁判長で、「私が原発を止めた理由」の著者、樋口英明氏によりますと、日本の原発は、民間のハウスメーカーが販売する耐震住宅よりもはるかに耐震性が低く、例に挙げられたメーカーの耐震性は5100ガルと3400ガルに耐え得る設計ですが、日本の原子力発電所の大半は耐震性が1000ガル以下であることなどの問題を指摘しました。日本で記録された最大加速度は2008年の岩手・宮城内陸地震の4022ガル、22番目が2011年東日本大震災の2933ガルとのことです。ガルは加速度を表す単位で、数字が大きいほど強い揺れを表します。日本のような地震大国で原発を保有するだけで、大きなリスクを背負っていることは明らかです。

脱炭素の政策には原発推進ではなく、再生可能エネルギーの推進を早急に進めるべきであると考えます。
以上のような理由から本陳情に賛成であることを申し上げまして討論といたします。

市役所前バス停に停まる福祉バス「たなばた号」