福生市総合教育会議が開催されました
「GIGAスクール構想に基づくiPadの活用等について」をテーマに、福生市総合教育会議が開催されました。(2月21日・福生市役所第1・2委員会室にて)
総合教育会議は、平成27年度スタートの新教育員会制度により設置された、市長と教育委員会が教育政策の方向性について協議・調整を行う場です。
今回の会議では、市内の小学六年生の児童と中学三年生の生徒、校長先生それぞれ2名ずつ参加し、市長と対話する形で行われました。
また、実際に電子黒板を用いて、どのように活用されているのか説明がありました。
市長挨拶の後、子どもたちのプレゼンテーション「iPad等のICTを活用した学びについて」の発表がありました。
準備してきたパワーポイントの画面を大型モニターに映し、iPadを手元で操作しながらの発表でした。
授業だけでなく自主学習でも、タブレット学習ソフトのミライシードの「ドリルパーク」を活用していることや付箋形式のメモをつけ意見などを共有することもできる「オクリンク」の活用、デジタル教科書を使ったテキストマイニングについてなど、子どもたちがそれぞれまとめていました。
テキストマイニングについてなどは、聞いている私の方がわからないような状態で、子どもの慣れる早さに驚きました。
また、Teams(チームス)を活用して、クラスで写真や情報の共有をしていました。
学習でも、自分の考えをまとめてみんなと共有することでより自分の考えが深まるなど、単に調べ学習だけではなく、コミュニケーションツールとして活用されていました。
修学旅行にも持参し、その場での調べ学習にも活用したそうです。
市長からは、iPad導入でよかったこと、いじめに使われるなどの報道があったが実際にはどうかなどの質問がありました。
Teamsの活用で忘れ物が減ったことがよかった、ふざけて写真を撮る人がいるけどいじめはないと思うなど答えていました。
また、自分たちでルールを決めたこと、ルールを忘れている人もいるからもう一度見直したい、動画を見たり学習以外に使う人もいるけどそれ以上に効果の方が大きいなど、活用の様子や子どもたちの考えを聞くことが出来ました。
校長先生からは、若い教員がリーダーシップをとって自主的に研修をしていることや生徒の状況把握と教員間の共有に活用されていることなどが発表されました。
また、コロナ禍で「体力の低下」「リアルな体験の不足」「地域から学校が見えにくい」などの課題があげられました。
iPadを活用した新たな学力観にあった学び・学習活動は、ある意味本質的な学びてあると考えますが、教員にとってはそれが一番難しい。案に合理化ではない。個別最適化された学びはタブレット無くしてはできなかったとの言葉が印象に残りました。
令和3年度予算審査特別委員会の総括質問で、個別最適化する教育と集団の中で培う教育をバランスよく進めることが豊かな教育環境づくりにつながると考え、その方向性について質問しました。
川越教育長からは、集団の中で培う教育は、個別最適化の学びが孤立した状況に陥らないように、集団の中で協働的な学びの充実をすることが重要である。集団の中で個が埋没してしまうことがないよう、一人一人のよい点や可能性、ポテンシャルなどを生かすことができるよう、異なる考え方を組み合わせ、よりよい学びを生み出すということ。
子どもと教員、子ども同士、自分の感覚や行為を通して理解する学習や実験、地域社会での体験活動など、様々なリアルな体験を積むことで、学ぶことの重要性がある。AI技術が高度に発達するSociety5.0の時代にこそ、一層そうしたことが高まっていかなければならないと考えているとの答弁をいただきました。
全児童・生徒へのiPad貸与から1年が経ちました。
主体的・対話的で深い学び、本質的な学びを実現していくために、iPadを学習ツールとして使いこなしていけるかがポイントとなりそうです。今後も注目していきたいと思います。