「ひとりだけど、ひとりじゃない」東京都ひとり親家庭支援センター「はあと多摩」

東京都では、ひとり親家庭への総合的な支援窓口として東京都ひとり親家庭支援センターを設置し、相談・支援や普及啓発等を行ってきました。飯田橋駅近くには、生活に関する全般的な相談・支援を行っている東京都ひとり親家庭支援センター「はあと」と就業支援・就業相談等を行っている「はあと飯田橋」があります。昨年10月には、「はあと多摩」が立川駅北口徒歩5分の場所に開設され、多摩地域の住民も相談しやすくなりました。そこで、多摩地域の生活者ネットワークの議員と「はあと多摩」を視察させていただきました。(2月17日)

ビルの4階にあるセンター内は、大きな窓と淡い緑色の衝立で仕切られた3つの相談スペースがあり、とても明るい印象でした。事務所を真ん中に反対側には会議スペースがあり、講座等はここで行っています。

ここでは、就業支援、生活相談、養育費相談、離婚前後の法律相談、面会交流支援、相談支援員研修会などを行っていて、都内在住で20歳未満の子どもを持つひとり親が利用できます。また、自治体にある支援制度はひとり親になった場合に受けられますが、ここは離婚前から利用することができます。お話を伺った相談員さんは、「離婚を勧めているわけではありません。自己決定することを大事にしているので、そのために先ず相談してほしい。」と話していました。

離婚前後の親支援講座の第1回が、2月21日に開催されました。チラシには「もう一度 子どものことを考えてみよう  別居・離婚に直面しているお父さん、お母さんへ」との記載があります。この講座のために、昨年から検討委員会をつくって準備し、講座の内容や冊子作りをしてきたそうです。子どもが心身ともに健やかに成長できるように、離婚が子どもに与える影響を一緒に考えていきたいとのことでした。
また、グループ相談会では、日常では口に出しにくい悩みや不安、知恵などを共有する機会にすることを目的として、講座+話し合いの時間をとっています。ひとり親とひとり親になる前の方が対象で、同じ立場の方が交流できる場になっています。

センターでは、かかりつけ相談所となること、ワンストップ+ワンスタッフ、必要があれば外部に上手につなぐ…の3つを心掛けているとのこと。
調査では、ひとり親家庭支援センターを知らない当事者が36.5%、利用したことがあるのは3.1%で、先ずは、認知度を上げていきたいとのことでした。

ひとり親の方は、後ろめたいような気持ちをもっている方が多いと聞きました。
子どものためにも自身のためにも、よりよい選択ができるよう、先ずは相談していただきたいです。未来のために。