立ち直りを支える地域のチカラ

社会福祉法人東京恵明学園法人アドバイザー・村上光史さん

平成29年度「第67回社会を明るくする運動」福生地区推進委員会が、6月28日(月)に福生市役所で開催されました。

最近よく見かけます「黄色い羽根」が社会を明るくする運動のシンボルです。
この運動は、犯罪や非行の防止と罪を犯した人たちの更生について理解を深め、それぞれの立場で力を合わせ、犯罪や非行の無い安全安心な地域社会を築こうとする全国的な運動で、昭和55年に発足しました。

3つの行動目標を紹介します。
1、犯罪や非行の無い安全・安心な地域社会を築くための取り組みを進めよう。
2、犯罪や非行をした人たちの立ち直りを支えよう。
3、これらの点について、地域社会の理解と協力の輪を広げよう。

犯罪や非行をした人を社会から排除・孤立させるものではなく、受け入れることが自然にできる社会にするために、さまざま活動に取り組んでいます。
特に少年の非行や犯罪、更生については、地域社会の理解と見守りが大切です。
寛容さとやり直しのきく社会を、地域住民が一緒に考えていくことが必要だと思いました。

 

推進委員会では、「乳児院を通して人のつながりを考える」と題して、社会福祉法人東京恵明学園 法人アドバイザーの村上光史さんの講演がありました。

恵明学園は乳児院と児童養護施設を併設していて、福生市や近隣自治体で乳幼児ショートステイ事業を委託しています。

おとなであろうが子どもであろうが、その人の生き方に沿った寄り添いをしていこうという思いでいる。そして、子どもは特に、安心できる生活の保障をしてあげることが大事で、愛着の形成が自己肯定感を育むとお話しされました。
また、平成28年に改正された児童福祉法にも触れ、児童は「児童の権利に関する条約」にのっとり適切に養育されることになっている。子どもの権利について、日本は国連から勧告を受けているが、権利を守り、家庭的保育を受けさせることも大切だ。身体的・精神的・知能的・社会的・道徳的な成長のバランスが必要で、保育の状況と関連しているとも話されました。

人との距離感やつながり方、地域コミュニティーの中でのつながりなど、人は子どもの頃から家庭や学校で身に付け、地域や会社など関わりをどんどん広げて成長します。
どんな家庭で育ったか、どんな環境で生活したかに大きく左右されるのだと感じました。
暮らし方や生き方が多様化している現代、おとなの都合に巻き込まれてしまう子どもたちを守ることが大切だと考えます。権利を主張できない子どもの権利を守るには、おとなが子どもも権利の主体であることを、先ずは認めていかなくてはならないですね。

犯罪や非行の無い社会、犯罪や非行をしてしまった人を受け入れる社会、どちらも人の育ちと人との関わりが重要だと、講演を聴いて思いました。