映画『みんなの学校』
平成25年度福生市教育委員会が設置した「ふっさっ子未来会議」が、昨年度まとめた「ふっさっ子スタンダード」があります。
その中に、小学生学び方スタンダード・中学生学び方スタンダードがあります。
この「スタンダード」に違和感を感じていた私は、映画『みんなの学校』を観て「これだ!!!」と思いました。
(スタンダードは子どものため?先生のため?)
今年で10年目を迎えた大阪市立大空小学校は、児童数220名の小さな学校。そのうち、特別支援を必要とする子どもが約30名在籍して、みんな同じ教室で授業を受けている。
不登校児童はゼロ。
「全ての子どもの学習権を保証する」という理念のもと、教職員や地域の人たちと、みんなで学校をつくってきた。
校則はなくルールは1つだけ「自分がされて嫌なことは、人にしない」。ルールを破ると「やり直し部屋」と呼ばれる校長室で、校長と話し、自分と向き合い、相手を思いやり、やるべきことを自分で見出して「やり直し」をする。
思わず手が出てしまう子、教室から飛び出していく子、歩き回っている子…
いろんな子がいて当たり前の教室が、画面に映し出された。
支援が必要か、必要でないかに関わらず、困っている子がいたら、自分ですべきことを考えて手助けをする。みんなが対等な関係だ。
9月4日小金井市での上映会でインフォメーションされた、大空小学校前校長の木村泰子さんの講演会に出かけて行きました。(9月12日東京学芸大学芸術館ホールにて)
はじめに「私は障がいという言葉は使わない。障がいということを、まだ理解していないから。人と違ったわかりやすい個性を持っているだけのこと。」とお話しされました。
公立の学校は、その子が望めば受け入れるのが当たり前。クラスに馴染めないとか、先生の手におえないとかの理由で転校させたり、特別支援学級へ移すというのは、排除すること。人と違うから排除するということをおとながしたら、それを見て育った子どもは、そういうおとなになる。排除された子は、ひとりでは生きられないおとなに成長する。
校長は風の存在。風が変わると学校も変わってしまう。みんなの学校は、保護者や地域のみんなでつくる学校。地域は土の存在。風が変わっても揺らがない。
風には風の仕事、土には土の仕事がある。
小学校と中学校の連携もある。手の空いている先生は学校を行き来し、子どもたちの様子を自分の目で確かめる。
クレームはゼロ。それは、受け付けてないから。でも、意見なら耳の痛い話も受け付けている。
学校と地域、子どもたちへの思いを軽快な大阪弁でお話しされ、あっという間の2時間でした。
映画の中では、体当たりの先生と地域の方と、生き生きとした子どもたちの様子が映し出されていました。おおぜいの人に見ていただきたい映画です。
そして、子どもにとって「スタンダード」ってなんだろうと、あらためて考えさせられました。