男女の壁を超えてゆけ!

福生市公民館と協働推進課が共催する令和6年度男女共同参画事業
「男女の壁を超えてゆけ」
に参加しました。
(2月23日・公民館にて)

告知のチラシには、
「あなたの中に男女の壁はありますか?
能力や才能はその人自身が持っているものであり、男女は関係ありません。
令和6年4月に施行された女性新法にも触れながら、性別ではなく、お互いの自分らしさに向き合って生きていける時代を、一緒に考えてみませんか。」
とありました。

講師は都留文科大学でジェンダー問題を研究している富永貴公先生。

先ずは、男女の壁について、
身近にある、福生にある、日本にある「男女の壁」について参加者がそれぞれに考えました。その中で自分が選んだ一言を書き出し、共通する言葉や同じ分類の言葉を書き出した人とグループになりました。
労働や賃金について、政治について、体力や骨格などについて、慣習などについて、
男女の壁といっても、さまざまな壁があります。

講師からは、「困難な問題を抱える女性たち」の壁についてお話があり、その中で女性新法についてもお話しされました。
女性新法は、「困難な問題を抱える女性への支援に関する法律」のことで、
講師は、正確には「困難な問題を抱えさせられている女性」ではないか、とのこと。
全くその通りだと思いました。
女性新法は、それまでの売春防止法で謳われてきた女性の「保護更生」から「包括的な支援」へシフトしたものです。
DV被害の女性は4人に1人、性暴力・性犯罪被害は女性の約8%、
ストーカー被害や痴漢の被害も圧倒的に女性が多く、2022年にはAV出演被害防止・救済法が施行されるなど、困難な問題を抱えさせられている女性への「包括的な支援」は極めて重要ですが、この女性新法でも男性の「保護更生」については問われていません。
法の「男女の壁」があると思いました。
また、被害者も「壁」によって沈黙を強いられてきました。

では、その壁をだれがつくってきたのでしょうか。
家庭や教育現場、地域、社会の仕組み中で、その「壁」は当たり前と思っていたり、「壁」に気付かなかったり、「壁」の存在に気付かなかったことにしてきたのではないでしょうか。

●家庭は家族が生活する場ですが、様々なかたちがあり、家族を定義することができませんが、ファミリーアイデンティティといわれる家族と聞いて思い浮かぶ範囲の人だともいわれます。そこは、「同意」のいらない場になっているのではないか。
●教育の場では、同意なく男女が二分されているのではないか。
●地域では、階層間で起きる暴力を例外とするような慣習はなかったか。同意を問われない、断れば「そんな女性」と思われるようなことはなかったか。
●社会の仕組みでも、仕組みを主につくってきたのは男性ではないか。

そこで、身近にある、福生にある、日本にある「壁」の超え方について、グループで議論しました。
私は、慣習などについての言葉を出したグループに入りました。
法の不備の是正や再生産される「壁」についての議論がありました。
七夕まつりで行われる織姫コンテストも、無意識のうちにルッキズムを助長し、「壁」につながっているのではないかとの意見もありました。
地域で、身近なところから「壁」を見過ごさない、その都度指摘するなど、地道に続けていくことが壁を超える、また、壁を低くしていくことにつながるのではないかと思いました。
参加者が議論し考え合う有意義な時間でした。

公民館展示スペースでは、「男女共同参画パネル展~グラフで読み取る今と昔~」と題し、独立行政法人国立女性教育会館出典の「男女共同参画統計学習パネル」が展示されていました。
グラフで見るとわかりやすいですね。
このような機会を増やしてほしいと思います。