福生市立学校の在り方検討委員会
福生市教育委員会は、教育課題の解決や学校教育に対する市民の思いや願いの実現という観点から、今後の福生市立学校の在り方等の検討を行うため、「令和における福生市立学校の在り方検討委員会」を設置しました。
大妻女子大学教授で元東京都教育監の宇田剛氏を委員長に、福生市立学校長10人、PTA連合会会長、町会長協議会副会長、コミュニティ・スクール委員3人、幼稚園長1人、保育園長1人、民生児童委員協議会会長、教育部長の20人の委員で構成されています。
所掌事項は、
1,小中一貫校に関すること
2,学校教育におけるICTの活用に関すること
3,不登校対策に関すること
4,コミュニティ・スクールの充実に関すること
5,その他教育委員会が必要と認める事項
となっています。
令和4年度は、
『小中一貫校に関すること』を議論のテーマとし、令和4年5月から令和5年2月までの全5回開催され、全会議を傍聴しました。
1回目には、福生市の公共施設に関する考え方について担当課から説明がありました。
公共施設には、学校も含まれます。
福生市の個別施設計画では、市域を4つに分け、小学校を核に施設の集約化・複合化を40年かけて進めまちづくりを行っていく計画です。
いわゆる「ハコモノ」をつくる場合には、誰がどのように使うのかを考えることが大切です。
防災の拠点、放課後の子どもの居場所、校庭や体育館などの地域開放やコミュニティ・スクールによる地域のつながりなど様々な機能を持たせることと、子どもたちの学びの場であることの整合性を持たせなければなりません。
小中一貫校については、肯定的な意見もあれば否定的な意見もありました。
●施設形態について
長期的な視点が大事で、分離型から一体型へ移行していくのがよいのではない
一体型か分離型かというよりは、小中連携との差別化を図ることが大事ではないか
地域交流棟のような建物があるとよい
防災の視点をもって進めなければならない
など
●人間関係について
学年を超えた縦のつながりによる教育的効果
関わる人の固定化については、良い面もあれば悪い面もあるのではないか
人間関係の築き方 今は、中学校に上がるときにリセットされる良さがある
中学への移行がスムーズになる
子どもが減るから統合するのではなく、新たな学校をつくるという意識が大切ではないか
など
●進路について
特別支援の視点では見通しがつくメリットが大きいと思う
など
●教員への負担について
教職員が継続した子どもの情報を得やすい
教職員の共通理解が今よりも必要
学校という一組織の教職員数が増えるので負担は減るのではないか
など
●保護者、地域との関係について
子どものためになることは地域のためになる
不安を解消していくような説明が必要
など
他にも学区の整理などについても意見交換がありました。
また、どのテーマにも共通していることは、情報が足りていないとの意見があったことでした。
この委員会は、結論を導き出すということではなく、様々な意見の共通するところ等をまとめて方向性を報告書としてまとめていくということになっています。
報告書は後日公開されます。
また、福生市教育委員会ホームページで委員会当日の資料や会議録も公開されています。
傍聴した中で
校則の見直しのきっかけになると思う。当たり前を議論できるいい機会になると思う。
との意見が印象に残りました。
固定概念に捕らわれない柔軟な議論の必要性を感じました。
また、
小中一貫校では、うまくいっていない人間関係をリセットする機会がなくなってしまう
との意見もありました。
友達関係をうまく築けない子どもにとってはつらいこともあります。しかし、今はSNSでつながっていて、どこに行ってもその関係がついてきてしまう場合も少なくありません。本当につらい時にはリセットも必要かもしれません。でも、うまくいかないけど、仲良くできないけど、それでも相手を認める人間関係の築き方、クラスメイトとしての付き合い方などを、おとなが寄り添いながら学んでいってほしいと思いました。