令和4年第2回定例会 6月議会報告
6月7日から24日まで、6月議会が開催されました。
令和4年度一般会計補正予算が第2号から4号まで組まれ、プレミアム付き商品券事業やシニアお買物券配布事業等の地域経済活性化と生活支援に関する事業、保育所等と学校給食の食材費補助、スクールソーシャルワーカー活用事業や学校マネジメント事業での副校長補佐に関す予算等が可決されました。
一般質問
1、誰もが使いやすいトイレについて
(1)基本的な考え方と現状について
東京都福祉のまちづくり条例では、誰でも利用できる旨を表示した「だれでもトイレ」を1以上設けるよう規定されていましたが、車椅子使用者の利用が困難となるケース等が発生したことから、国の建築設計標準が改正され、トイレの表示は、「多機能」「多目的」など、誰でも使用できるような名称は使用しないこととなり、東京都でも、「だれでもトイレ」の表示を使用しないこととなりました。表示を変えたことで、男性用も女性用も使いにくい人、トランスジェンダー等が使いにくくならないよう配慮が必要であると考え、市の考えを質問しました。男性用も女性用も使いにくい方には、今まで通り利用していただく。表示については、東京都の方針に沿って行っていくとの回答でした。
(2)男性用トイレにサニタリーボックスを設置することについて
膀胱がんや前立腺がん等の病気や加齢で、尿漏れパッドを使用する男性が増えています。体の変化があっても、外出を控えず自分らしく生活すること、トランスジェンダー男性にとっても外出時の心配事が軽減されることから男性用トイレにサニタリーボックスを設置した方がよいと考え、市の考えを質問しました。
ほとんどのユニバーサルデザインのトイレには、大きめのサニタリーボックスが設置されており、活用していただいている。男性用への設置は、検証していくとの回答でした。
ユニバーサルデザインのトイレに設置されているとの表示と男性用トイレへの意設置とを要望しました。
(3)新たな公共施設のトイレについて
今後、整備される新たな公共施設では、トイレも計画的に整備されることが重要ではないかと考えます。車椅子用や子ども用、オールジェンダートイレ等多様な市民に対応できるトイレの整備について、市の考えを質問しました。
令和4年3月に都が策定した、「多様な利用者のニーズに配慮したユニバーサルデザインのトイレづくりハンドブック」等を参考にし、誰もが使いやすいトイレの整備に努めるとの回答でした。
2、携帯電話等中継基地局の設置と電磁波による被害の防止について
全国的に、携帯電話等中継基地局の設置をめぐる事業者と住民のトラブルが増えています。事業者に基地局設置の際の住民への説明を求めている自治体もあることから、市の考えを質問しました。また、現在市内公共施設や市有地に設置されている基地局はあるか、今後の申し出への対応について質問しました。さらに、環境基本計画への電磁波の影響についても盛り込むべきと考え、市の考えを質問しました。
「電波防護指針」が国により定められており、人体に影響はないとされている。市では、中継基地局設置に当たっての対策は考えていない。また、環境基本計画に「電磁波」について掲載する予定も現時点ではない。設置状況は、市役所第1棟屋上に設置した地域BWAの中継基地局と、原ヶ谷戸どんぐり公園の2か所。令和4年度中に地域BWAのエリアを市内全域に拡大させるため2つの基地局を市施設に整備する予定(場所は未定)。許可の可否については施設により設置条件や管理方法が異なると考えられることから、個別の申請ごとに判断していくとの回答でした。
公共施設等への設置の場合は、住民説明会を行うよう要望しました。
3、公共空間での電磁波について
(1)公共施設等におけるWi-Fi設備の取り扱い等について
電磁波過敏症を発症されている方から市内公共施設のWi-Fiについてのご意見がありました。公共施設等でWi-Fiが無料で使用できるようになり、多くの市民から大変喜ばれている一方で困っているひともいることもわかりました。現在、市内公共施設で使用できる無料のWi-Fiについて、設備の管理や取り扱いのルール等について、アクセスポイントのスイッチを切るなど、個別に対応することが可能かどうか質問しました。また、学校での対応についても質問しました。
管理については、各施設管理者が行っている。アクセスポイントは管理上、高所に設置し、電源は常時オンとなっている。取り扱いのルールは、SSIDとパスワードを使って接続し、基本的に、施設の利用時間の中で御利用いただく。アクセスポイントのスイッチを切るなどの個別の対応は、利用者から依頼があった場合には、その部屋のみ可能な限り対応する。学校では、常時、iPadが使用できるようにする必要性を鑑み、現在は、通信を切断する等は考えていない。
利用者からアクセスポイントのスイッチについて要望があった場合は、施設管理者が対応できるようにしてくよう要望しました。また、子どもへの影響を考え、情報収集と電磁波から解放される時間をつくってほしい、個別の相談には丁寧に対応してほしいと訴えました。
4、女子児童・生徒の生理に関する環境整備等について
昨年、市内小中学校では、女子トイレに生理用品を設置する試みを行いました。実施に至った経緯や内容等について質問しました。
東京都教育委員会は、経済的な理由で生理用品を購入できない生徒のために、都立学校の女子トイレに、生理用品を置く取組を始た。市においても実態を明らかにする必要があると判断し、実証実験の実施に至った。小中各1校をモデル校に、学校内のトイレ等に設置し需要の調査、5年生以上の女子児童・生徒と教職員を対象としたアンケートを行った。また、実証実験後に対象となった児童・生徒に対してもアンケートをおこなった。経済的な理由でを買うことができなかった経験があると答えた割合は0.1%と非常に少ないが、99.1%が今後もトイレに生理用品が置いてあった方がよいと回答したことから、多くの子どもたちの要望を踏まえ、各小・中学校のトイレに設置する方向で、現在、校長会と調整を進めているとの回答でした。
経済的に困窮している子どもだけを支援するのではなく、多くの女子児童・生徒の要望に応えることで、結果的に困っている子どもの支援になるという支援の在り方はとても良いと思いました。継続して設置できるよう、学校への予算的な配慮を要望しました。
新型コロナウイルス感染症対策特別委員会
市内小中学校では、「福生市立学校版新型コロナウイルス感染症予防ガイドライン~『学校の新しい生活様式』~」に沿って対応がされています。この中には、「マスクの着用について」も示されていて、体育の授業や登下校、熱中症対策にも記されています。
5月には、厚生労働省と文部科学省からも通知等が出され、熱中症対策を優先するよう呼びかけられています。しかし、学校での体育の様子や子どもたちの登下校の様子から、改善が見られないことから対応について質問しました。
通知等はその都度学校へ連絡し、校長会でも指導を行っているとのことでした。
保育所等でも一律にマスク着用を求めない、また、強制的に外すということもしないとのことでした。
約3年もの間、マスク着用は習慣になっていて、着用する・しないを自主的に選択できるような状況ではないと考えます。マスクが体に与える影響やコミュニケーションの取りづらさを考え、先生から積極的に声掛けをしてほしいと訴えました。
また、「顔パンツ」という言葉が使われるほど、外すのが恥ずかしい、マスクに依存している状況があります。心の発達にも影響しています。
幼児の場合は、「人との距離に関わらず一律にマスクの着用は求めない」と厚生労働省のリーフレットには書かれています。これは、マスクは着用しなくていいというように読み取れます。子どもの心と体への影響を考え、保護者や周りの大人が理解し、声掛けしてほしいと訴えました。
一般事業所では、濃厚接触者を特定するための疫学調査はしないことになっています。
福祉施設や保育所、学校等では、これまで通り濃厚接触者を特定することになっています。
社会がようやく回りだしたのに、学校などは取り残されているような状況ではないでしょうか。
国や都へ改善を要望してほしいと訴えました。