子どもたちの健やかな成長を考える
生活者ネットワークでは「子育て・介護は社会の仕事」をスローガンに活動してきました。
また、福生・生活者ネットワークは「子ども 未来 いのち ~つながり合うまちづくり~」をスローガンに掲げて活動し、4年が経とうとしています。
子どもが自分自身の力を発揮して、いきいきと暮らしていけるまちは、誰でもが暮らしやすいまちになる・・・と考えているからです。そして、いのちを未来へつなげていく・・・
そのためには、地域のおとなたちが手をつなぎ、みんなで子どもを育てていくことが大切だと考えます。
どんな家庭に生まれても、その力を発揮できるようなサポートが必要です。
学校給食費の無償化を求める陳情書が市民から市議会へ提出され、9月議会で不採択となりました。
福生・生活者ネットワークでは、学校給食費無償化について会議で話し合いました。
会議の中では、丁寧な就学援助の申請方法をとっているので十分ではないか、いくら丁寧にしていても方法を理解できない保護者もいるのではないか、支払い可能な家庭には払ってもらった方がいい、貧困対策としてはどうなのかなどの意見もあり、なかなかまとまりませんでした。
この意見は、6月の総務文教委員会の中で発言させていただきました。
さらに話し合い、どんな家庭に育つ子どもなのかは関係なく、「子ども」そのものへの直接的な支援である、子育ては社会の仕事であるという観点から給食費無償化には賛成という立場をとることとなりました。
さて、提出されていた陳情の要旨は
①子育て世代への力強い応援策となる
②どの子も安心して学習やスポーツに打ち込むことができる
③人口流出を抑え他地区からの人口流入も期待できる
という3点にまとめられていました。
今回の陳情の要旨と私たちの考えは少し違っているところがありますが、着地点としては同じなのでこの陳情にも賛成としました。
インターネットのニュースを見ていたら「毒親サバイバル」という本が目に留まりました。
菊池真理子さんという方の作品で、11人の元子どもの家庭での経験談を漫画で描いた作品だそうです。
帯には「許さなくていいよ。親から受けた傷はみんな違う」と書かれていて、自分の子育てはどうだったかとドキッ!としました。この第1話が公開されていたので読んでみました。
作者が小学生の時、担任の先生が生活調査としてクラスでいくつかの質問をし、当てはまるものに手を上げるといった場面があったそうです。朝ごはんを毎日食べる人とか、毎日着替えをする人とかいう風にして質問されていく中で、毎日お風呂に入る人の質問で「うちは違う、5日に一回だ」と初めて他の家庭と違うことに気が付いたというエピソードから始まりました。
毎日つぶれるまでお酒を飲む父と宗教にはまって最終的には自殺してしまった母親と、おとなになっても自分の家の普通にしがみついて暮らしてきたこと描かれ、最後には本来の自分の姿を取り戻していったというようなお話しでした。
暴言・暴力・価値観の押しつけ・おかしなルールなど、「家」という密室からは逃げられない子どもをどうしたら救えるのかを考えさせられました。子ども一人ひとりが尊重され、個人としての人権が尊重されるべきです。すべてのおとなが「子どもの権利」についての理解を進めなくてはならないと思いました。
地域で子育てと言っても、まだまだ家庭に入り込んで子どもに直接的な支援をすることには壁があります。保護者の意向は考慮する必要がありますが、子どもの意思が大事です。民生委員のみなさんや家庭と子どもの支援員のみなさん、子ども家庭支援センターと、それぞれが機能しているだけでなく連携していくことの大事さをみんなで共有したいと思いました。
そして、子どもが自分自身を開放できる場所、がんばらなくてもいい場所、地域のおとなと緩やかにつながれる場所をつくていきたいとあらためて思いました。