令和7年第4回定例会 12月議会報告

12月2日から19日まで、第4回定例会12月議会が開催されました。

本議会では、令和7年度一般会計補正予算(第6号)が可決され、物価高騰対策に対応した給食食材調達事業や保育所等への補助金の増額、バリアフリー化等のための松林会館改良事業や中央体育館改良事業に係る予算、放課後等デイサービスの利用増による増額など、合計4億6,667万9,000円が可決されました。
本会議最終日に即決議案として提出された一般会計補正予算(第7号)では、職員人件費等が可決、また、賛成者となった議員提出議案第1号「再審法(刑事訴訟法の最新規定)の見直しを求める意見書」が全会一致で可決されました。

本会議4日目には、以下のような一般質問に取り組みました。

 

一般質問

1、ジェンダー平等の推進について
(1)福生市男女共同参画行動計画(第6期)の進捗状況について
世界経済フォーラムが、毎年発表しているジェンダー・ギャップ指数の2025年の順位は148か国中118位で、昨年と同じ順位でした。特に男女格差が大きいのが政治の分野で、次が経済という状況が続いています。また、スコアは2年続けて上昇し、過去最高となりましたが、2006年の0.645から2025年の0.666までほぼ横ばいです。(「0」が完全不平等、「1」が完全平等)他国がスコアを上げていますので、結果日本の順位は上がらないままとなっています。SDGsでも目標5に「ジェンダー平等を実現しよう」が掲げられていますが、2025年の日本の達成状況を見ますと、深刻な課題があるとされる6つの目標の一つにあげられています。ジェンダー平等の推進については、世界的に見て遅れている日本の現状がありますが、実現に向けては地域からの地道な取組が重要であると考えます。
福生市男女共同参画行動計画(第6期)の進捗状況について質問しました。

福生市男女共同参画行動計画に基づいて実施計画を作成し、見直し等を毎年行いながら、全庁的に取り組んでいる。行動計画の中では、四つの主要課題として、「男女共同参画社会形成への意識づくり等への推進」「ワーク・ライス・バランス(仕事と生活の調和)の推進」「あらゆる暴力の根絶」「あらゆる分野における男女共同参画の推進」を設定、これをもとに、男女共同参画の諸問題を解決するための啓発活動など26の施策を設け、さらに、この施策を推進するために139の主要事業に取り組み、総合的かつ効果的に庁内全課が推進している。令和6年度の進捗は、年度終了後に、所管している協働推進課から関係各課に調査を行い、139の主要事業に対して年度目標に応じた170の実施計画事業ごとに達成度を評価させ、報告を受けている。達成度の評価は、A評価が80%以上の達成、B評価は達成が60%以上80%未満、C評価は達成が60%未満、Dが未実施という4段階とし、令和6年度は、A評価が142事業で全体の83.5%、B評価が16事業で全体の9.4%という結果となっているとの回答でした。

現在の課題認識と改善に向けた取組について、また、男女共同参画事業推進会議の具体的な会議の内容等についても質問しました。
現在の課題認識と改善に向けた取組については、主要課題の一つ「あらゆる分野における男女共同参画の推進」の施策、「審議会等への女性の登用の促進」の主な事業項目である「女性委員の登用の促進」においての令和6年度の目標、「審議会等における女性委員の割合33%」に対して、令和7年4月1日現在の女性委員の割合は全体で27.3%となっており、残念ながら目標には達していない。審議会・委員会ごとにみると、女性委員の登用には偏りが見受けられる傾向となっており、課題であると認識している。委員会・審議会の職務内容や委員の推薦方法など、男女比の調整自体が難しい実情もあるが、今後も、女性自身が積極的に参加しやすい環境づくりに努めてまいりたいと考えている。男女共同参画事業推進会議での具体的な会議の内容については、毎年、庁内の関係課15課の課長職を委員とし、毎年度の目標の設定と前年度の進捗状況調査を基に、課題点などの洗い出しを行っており、その意見等を次年度の各課の実施計画等に反映している。なお、令和7年度は、令和8年度に「福生市男女共同参画行動計画(第7期)」を策定するため、市民に対して行う「男女共同参画に関するアンケート調査」の調査内容についても審議したところであるとの回答でした。

審議会の女性の割合については、市のホームページで公開されている資料から、女性の割合が年々減っているということは問題だと考えます。地域全体への働きかけの必要性について訴えました。
また、女性自身が積極的に参加しやすい環境づくりに努めてまいりたいと考えているとのことでした。積極的に参加しやすい環境とはどのような環境なのか、福生市として考えていくことの必要性についても訴えました。
男女共同参画事業推進会議については、課題点などの洗い出しなどをされるときに、計画の中で「各課」となっているものについて、それぞれどのように取り組んでいるかなども議論し、改善につなげて欲しいと訴えました。

(2)庁内のジェンダー平等に関する取組と女性職員の就業の現状について
労働施策総合推進法等の一部改正(2025年6月11日施行)により、2025年度末までの時限法であった女性活躍推進法が、「いまだその役割を終えたと言える状況にない」という理由から10年間延長され、2035年度末までとなりました。
内閣府男女共同参画局のホームページをみますと、日本の15歳から64歳までの女性の就業率は、平成27年には64.6%であったところ令和6年には74.1%と上昇していること、子育て期の女性に焦点を当てると、平成17年から平成21年に第一子を出産した女性では、出産を機に56.6%の女性が離職していましたが、平成27年から令和元年に第一子を出産した女性では30.5%と減少していることがわかります。
また、女性の年齢階級別労働力人口比率は、平成27年には結婚・出産期に当たる30歳から34歳をグラフ底とするいわゆる「M字カーブ」を描いていましたが、令和6年には20歳代から50歳代まで台形に近い形を描いており、「M字カーブ」はほぼ解消していると分析していることがわかります。しかし、出産後の女性の継続就業率は高くなってきているものの、女性の正規雇用比率が25~29歳をピークに年齢が上がるにつれて低下する、いわゆる「L字カーブ」を描いており、この時期に働き方を変えたり、キャリアを中断・断念したりする状況が残っていることがうかがえるとしています。
このことを踏まえ、庁内のジェンダー平等に関する取組と女性職員の就業の現状について質問しました。

職員への教育・啓発として、ダイバーシティやアンコンシャスバイアスに関する研修の実施、ハラスメント防止指針の周知やハラスメント研修の実施に取り組んでいる。女性の離職防止の観点から、男性も含めた育児休業の取得促進や、育児休業取得中の職員に対する資料送付等の情報提供、職場復帰に向けて両立支援制度の紹介等を行う育休復帰者向けセミナーの開催など、育児休業から円滑に復帰できるようフォローをしている。職場環境の整備として、テレワークによる柔軟な働き方の導入、休暇の取得促進などのワーク・ライフ・バランス実現のための取組を実施している。
女性職員の就業の状況は、常勤職員全体で比較すると、平成27年度末の女性職員の占める割合は34.6%であったのに対し、令和6年度末は40.1%であり、5・5%上昇しております。また、26歳から35歳までの年齢に絞って女性職員の割合を比較すると、平成27年度末は41.5%であったのに対し、令和6年度末は48.1%と、6.6%の大幅な上昇となっている。
ジェンダー平等の推進は、職場の多様性向上、性別に縛られない新しいアイデアや視点が生まれることによる組織の活性化、多様な人材の活用による優秀な人材確保にもつながりるので、引き続き取り組んでいくとの回答でした。

また、現在、女性の管理職の人数と割合について、女性職員の配属先にがどのような傾向があるかについて把握しているか、また、そのような観点からの調査を行ったことがあるか、女性活躍推進法の女性活躍に関する行動計画として特定事業主行動計画が策定ましたが、計画期間の終わる令和8年度以降についてはどのようにされるか質問しました。

女性の管理職の人数は令和7年4月1日現在で11人、割合は18.3%。
女性職員の配属先の傾向の把握やその観点からの調査について、具体的には実施していないが、将来、管理的地位を担うことが期待される人材の層を厚くしていく必要があることから、本人の希望も考慮した上で、男性職員と同様、適材適所を考えながら主査・係長として任用し、女性管理職としての登用拡大に向けて取り組んでいる。令和7年度までの取組の成果を検証した上で、関連する計画との整合も図りながら、新たな目標、具体的な取組を定めた特定事業主行動計画に改定することを予定しているとの回答でした。
8月に視察した豊岡市や他のある自治体の調査によると、女性職員の配属先が子ども関連や福祉の部署に偏っている傾向があり、管理職に手を挙げる自信がない女性職員が多いと分析しています。
管理職に手を挙げやすい環境整備について要望しました。

(3)市内事業所等との連携について
(2)で示した現状から、ジェンダー平等の推進については、市内事業者等とも連携し進めていかなければならないと考えますが、その取組について質問しました。

近年では、女性の就業継続意識と就業率の高まりから、女性が働きやすい環境を構築することがますます重要になってきているものと認識している。そのため、市内の事業者との連携を進めていく必要がある。女性が働きやすい環境を構築する主体はそれぞれの事業者で、市としては直接事業者に対して啓発等を行う機会はあまりないが、女性の雇用や就業の促進に関するポスターの掲示やパンフレットの配布、各種セミナーの実施など、折に触れて必要な取組を行っている。また、福生市商工会では、女性の経営者等で構成する女性部を設置、女性ならではの視点や女性の活躍を推進するため活発な活動を展開しており、市としても支援を行っている。さらに、「東京しごとセンター」と共催して実施している「女性しごと応援キャラバン」は、働きたい女性を応援するため、セミナーや個別相談会を開催しているもので、令和7年10月に福生市民会館で開催した際には、大変多くの方にご参加いただき、満足度も高く、好評のうちに終えることができた。今後も、男女がともに、希望するワーク・ライフ・バランスをかなえられるよう、関係機関や事業者との連携を深めてまいりたいと考えているとの回答でした。

市と市内企業や事業所が一緒に取り組み、まち全体のジェンダーギャップ解消に向けた取組を要望しました。

2、災害に備えた外国人のための取組について
福生市の外国人住民(今年1月現在)は4600人を超え、市の人口に占める割合は8%を超えました。福生市では、やさしい日本語や多言語での情報発信、また、窓口に専用のタブレット端末を使用した多言語通訳サービスを実施するなど、外国人住民の生活を支えるための取組を行っていると認識しております。普段は問題なく生活している外国人住民でも、大規模な災害が発生した際には平時とは違った対応をせざるを得ない状況になることが想像されることから、防災意識の啓発や備蓄等の備えを促す取組、また、市としても外国人へ支援できる体制の整備が必要であると考えます。
災害に備えた外国人のための、これまでの取組について、また、成果と課題について質問しました。

災害対策基本法において外国人は避難の際に言葉や情報の面で配慮が必要な「要配慮者」とされており、外国人比率の高い福生市において、外国人の方々との連携は重要であると考え、これまでも外国人の防災に取り組んいる。取組み事例としては、防災講習会を令和5年度から福生消防署や池袋防災館にご協力いただき、市内の日本語専修学校等の生徒を対象に、災害や火災が発生した時の対応や、AEDなどの応急救護、さらに避難所等について学ぶ機会を設けている。さらに、隔年で実施している福生市・福生消防署合同水防訓練は、令和5年度、7年度に参加を要請したところ、多くの生徒と教職員の方が参加し、水害を防ぐ工法を学んでいただいた。さらに、災害ボランティアセンター設置・運営訓練に外国人留学生の方々にも参加しいていただいた。
成果については、参加者は、母国では地震等を経験したことのない方もいるとのことだが、災害について考える機会にもなったものと考えている。課題については、外国人留学生とは学校を起点とし、繋がりを持つことができるが、就労されている外国人への市からの防災啓発を図ることは、まだまだ課題を感じている。しかしながら、卒業生が市内で就労されている方もいらっしゃるとのことなので、日本語専修学校等とのつながりを確固たるものとし、防災の輪を広げていきたいと考えているとの回答でした。

また、多文化防災リーダーの育成や災害時多言語コールセンター設置が必要と考え、市の考え方についても質問しました。
多文化防災リーダーについては、新たな地域防災力向上の担い手として、平時から在住外国人の協力を得ることが必要ではないかとの考え方もあるが、日本語専修学校との意見交換において、現在は先ずは自分の身を守る「自助」を学んでいるところとのことであったっため、今後の共助の担い手になることも踏まえた防災についてを伝えていく。災害時多言語コールセンターについては、研究していくとの回答でした。

3、学校給食について
(1)食品ロス削減の取組について
福生市では、令和6年度から市立小中学校に通うすべての児童・生徒の学校給食費が、保護者負担から全額公費負担となりました。これまでも、調理にかかる費用や施設の維持管理に係る費用等は公費で賄っていましたが、食材費である学校給食費が全額公費負担となったことで、子どもがいる家庭だけでなく、税金を払うすべての人と学校給食のつながりがさらに強くなったと考えられるのではないでしょうか。
福生・生活者ネットワークでは、市民の学校給食に対する考えや思いなどを伺うため、今年7月から9月にかけて「学校給食をみんなで考えよう」と題した学校給食に関するアンケートを行いました。お答えいただいた方は62名で市外の方も含まれますが、学校給食費の全額公費負担についていただいた自由意見の中には「保護者の支払いがない分、関心が薄くなるのではと心配しています。特に残菜。」といった意見がありました。子どもからも、食べ物を捨てることになる残菜に対する苦しい思いが寄せられています。
学校給食の食品ロス削減の取組について質問しました。

文部科学省が定める「学校給食実施基準」に基づき、必要な栄養価を確保した献立のほか、様々な行事食や各種の郷土料理を取り入れた学校給食を、基準に基づいた適正量にて提供している。しかしながら、給食残菜が発生しており、給食を残すことによる栄養価の摂取不足や食品ロスは、食育の観点からも大きな課題であると認識している。そのため、これまでも食品ロス削減に向けた取り組みを積極的に行ってきた。
調理段階での残菜の削減。調理する際には、極力食材の廃棄が無いよう努めている。食育の推進として、各小・中学校においては、SDGsの観点から、教員による各学級での給食指導を基本に、栄養教諭が各学校を訪問して行う食育の授業や、防災食育センターへの社会科見学の際の食育指導など、児童・生徒一人一人が自ら食べ残しを減らすことができるよう、取組を進めている。また、防災食育センター場内の食育ブースには、食品ロス削減のコーナーを設け、児童・生徒はもとより、保護者や地域の方々に対しても、食育の推進、食品ロスの削減の取り組みに関して、広く周知を行っているとの回答でした。

また、残菜の計量の方法と残菜率の平均、牛乳の残菜率についても質問しました。
残菜の計量方法は、学校から戻される食缶ごとに、主食、汁物、主菜、副菜の4つの料理単位で計量をしている。残菜率は、令和3年度から令和6年度までの全体の平均値では、小学校7校で17.3%、中学校3校で21.0%。
また、牛乳の残菜率は、牛乳は汁物と同じ食缶で戻されることから、牛乳単独の残菜率は把握していない。そのため、参考値として汁物の残菜率の平均値は、小学校7校で16.7%、中学校3校で20.9%であるとの回答でした。

福生・生活者ネットワークでは、学校給食の牛乳は選択制を導入すべきと考えています。
牛乳の選択制導入についても質問したところ、現在は「完全給食」の提供を行っていることから、現時点での導入の予定はないとの回答でした。
今後も実態に即した対応となるよう、牛乳の選択制導入を求めていきます。

(2)給食時間の確保について
(1)で示した福生・生活者ネットワークで行ったアンケートの自由意見では、「量は食べられるけど、早く食べるのが難しい子どももいるため、十分な時間設定で、早食いや誤嚥防止に努める必要もあると思います。幼い頃の給食のルールがトラウマで、会食が苦手になってしまった大人もいるため、”みんなで食べることは楽しい”と子どもたちが感じられるような給食の時間であるべきだと思っています。」「食べる時間も気になります。短い時間で準備をし、急いで食べ片付けも…もう少しゆっくりよく噛んで食べる事を先生達からお伝えしてほしいです。」とのご意見がありました。また、子どもを対象にしたものも行っており、その中の自由意見では「せっかくのおいしい給食なのに中学生になってから急に給食時間が短くなり、とても困っている。4時間目の授業が長引いた時などは、5分しか食べる時間がなかったこともあった。残さず食べなきゃいけないのに味わいたいし、もっと楽しい給食時間にしたい。食缶に入っている量も多く休みの子がいるとどうしても余ってしまう。1人分の量は決まっていることは知っているけど、給食当番が毎日違うためよそうのがうまくない時もある。食品ロスを減らしたい人にとっては苦痛だと思う。」と書いてくれた中学生がいました。給食時間の確保については、特に中学校では難しい状況にあるのではないかと考えます。給食時間の確保について、市立小中学校での現状と見解について質問しました。

市内小・中学校における給食の時間の設定については、準備から片付けまで含めて、小学校は概ね45分程度、中学校は30分で設定されている。この時間設定の中で、準備・片付けの効率化を図り、小学校で20分から25分程度、中学校で15分から20分程度の会食時間が確保されている。また、やむを得ず会食時間が短くなる状況が生じた場合については、昼休みの時間で調整し、会食時間を確保するなど、各学校において、柔軟に対応している。見解については、学級で会話をしながら食べる給食の時間は、学校生活を豊かにし、社交性及び協働の精神を養うとともに、コミュニケーション能力の育成や仲間意識の醸成にもつながると考えている。そのため、給食時間の設定については、児童・生徒の発達の段階や授業時数など、学校生活全体の時程を総合的に勘案し、校長が行いう。本市の小・中学校における給食時間は、現状のとおり、教育活動として必要な時間が確保されているものと認識しているとの回答でした。

また、給食後の歯磨きの時間の設定についても質問しました。
小学校では、給食時間に含めて実施している学校は5校、給食時間と歯磨きの時間を分けて実施している学校は2校で、給食時間の後、5分間の歯磨きの時間を設定して実施している。中学校では、給食時間の後、昼休みの時間の中で、歯磨きを実施しているとの回答でした。
歯磨きの習慣は大切ですが、給食時間や昼休みが短くなっている現状がわかりました。
給食時間について、子どもや保護者の意見を聴く機会をつくることを要望しました。