令和7年第1回定例会 3月議会報告
3月4日から28日まで、第1回定例会3月議会が開催されました。
本議会では、令和7年度一般会計予算審査特別委員会が設置され、4日間にわたって審査が行われました。
福生駅西口地区公共施設整備推進事務では整備計画改定のための検討委員会の設置38万円や まちづくり構想策定支援委託料550万円、平和祈念事業では「平和のつどい」でのアニメーション上映会とトークイベントに76万4千円、東福生駅自由通路整備事業7,378万4千円、熊川駅等バリアフリー整備事業1億102万円、学びの多様化学校設置工事ほか3,741万1千円、福生野球場改良事業の設計委託料等1,781万9千円、体育施設等のキャッシュレス決済導入のための予算など多岐にわたる事業で、295億9千万円が賛成多数で可決されました。
また、令和7年一般会計補正予算では、防犯カメラ等の防犯機器購入に係る費用の一部を補助する防犯機器等購入緊急補助金1,90万5千円などが可決されました。
市民から提出された陳情書は3件、いずれも不採択となりました。
●2023年3月3日全員協議会会議録についての陳情書
●原油・物価及びエネルギー価格等高騰に伴う中小企業支援策の実施を求める陳情書
●発がん性のあるPFAS汚染の実態を明らかにすることを求めることに関する陳情書
本会議2日目には、以下のような一般質問に取り組みました。
一般質問
1、地域防災に関する取組について
自主防災組織は町会等を中心とした組織ですが、組織は全住民を対象としていることから、自主防災組織の体制や活動等の現状、市民の認知度について質問しました。
市の総合防災訓練への参加や、令和5年度は、立川防災館や「そなエリア東京」などの防災施設での災害体験学習として、計15地区、延べ361人の方が参加。また、初期消火訓練や応急救護訓練などに29地区、延べ1,421人の方が参加。認知度についての調査はしていないが、令和6年度市政世論調査によると、約6割の方から「地域の共助」が防災対策や災害時発生において最も望ましいとの回答があることから共助に関する一定の認識はあるものと考えられる。総合防災訓練等の動画配信、防災危機管理課の広報「あんまち」で自主防災組織について周知していくとの回答でした。
自主防災組織の代表者が話し合う場をもつこと、地域の団体をつなぐ取り組みやきっかけづくり、学校支援コーディネーターの協力等を庁内連携で進めてほしいと要望しました。
2、女性の健康について
令和6年度からの健康日本21(第3次)では、新たな視点として「女性の健康」について明記されたことから取組について質問しました。
健康日本21が掲げる「若年女性のやせ」「骨粗しょう症」「飲酒」「妊娠中の喫煙」をそれぞれ減少させることを目標に、ライフステージに応じた対応とともに女性特有の健康課題に着目していく。また、新たな課題についても情報発信していく。将来の骨粗しょう症予防を目的に小学生に対する「骨貯金教室」を開催、正しい食生活及び運動習慣を啓発する内容で、生活習慣病予防の観点からも、「やせ」などの「見た目」のみで判断するのではなく、「本来の健康な身体」について伝える予定との回答でした。
特に、「若年女性のやせ」については、ルッキズムの問題等を男女共同参画担当者等と連携して取り組むよう訴えました。また、厚生労働省のWEBサイト「女性の健康推進室ヘルスケアラボ」の周知、令和8年度改定予定の「健康ふっさ21」にも女性の健康の項目を追加し取り組むよう要望しました。
3、国民健康保険について
(1)現状と課題について
都道府県化の開始から7年、現状と課題等について質問しました。
一般会計からの繰入金に頼らざるを得ない状況が続いており、被保険者の負担軽減、保険税の未収額の補塡等を目的とする法定外繰入を行うことで、収支の均衡を図っている。国は、令和15年度までに都道府県単位での保険料水準の完全統一を目指しているが、構造的な課題がある中での赤字解消は非常に困難。被保険者はピーク時より1,300人減少。今後は、被用者保険の適用拡大の制度改正の影響、「子ども・子育て支援金」の上乗せによる影響がある等の課題があるとの回答でした。
(2)医療費の適正化について
医療費の現状と適正化の取組について質問しました。
被保険者一人当たりの医療費の総額が、5年間で42,000円増えている。重複・頻回受診訪問指導の令和5年度の取組状況では、指導の対象となった疾病は「脂質異常症」や「高血圧性疾患」が多く、続いて、「脳梗塞」、「膝関節症、膝関節炎」。治療中の疾病が重症化しないよう、保健師や看護師が、生活習慣等の課題を確認し指導する。多かったのは「食事習慣」や「運動習慣」を改善するための指導であった。また、受診状況へのアプローチでは、脳血管疾患や心疾患の経過観察や継続治療のため「重複受診」や「多投薬」に該当するケースが多く、専門的な視点からアドバイスや情報提供を行ったとの回答でした。
医療費の適正化については、被保険者、医師、薬剤師がそれぞれ意識を持って取り組むこと、また、被保険者自身もセルフメディケーションについて理解することが大切であると考え、その啓発を行うよう要望しました。
令和7年度福生市一般会計予算審査
令和7年度一般会計予算については特別委員会を設置し、議長を除く17名の委員で、4日間にわたって審査が行われました。以下のような質疑を行い賛否の判断としました。
また、本会議最終日に賛成討論を行い、賛成多数で可決されました。
●組織の見直しについて
●公共施設に関する地域懇談会の取組について
●福生駅西口地区公共施設整備計画の改定のための検討委員会について
●災害対策の個別避難計画策定の取組について
●定額減税不足額給付金給付事業について
●戸籍事務の振り仮名通知書策定委託について
●農業振興事業について
●男女共同参画行動計画策定について
●多文化共生推進の外国人防災啓発動画作成について
●福生野球場改良工事の人工芝について
など
賛成討論
令和6年は、全国的に地震や豪雨等の災害に見舞われた地域が多くあり、災害・防災について考える1年となりました。また、市民の防災に対する意識は高まっていると受け止めております。生活者ネットワークといたしましても、防災力の向上のため、防災対策の強化は、喫緊の課題であり、優先的に取り組むべきであると考えております。
一方で、大規模な災害では、「共助」である地域住民同士の助け合い、支えあいが重要となりますが、地域コミュニティの希薄化が叫ばれて久しい現状があります。町会・自治会の加入率の減少、外国籍や外国にルーツを持つ市民の増加、一人ひとりの考え方やライフスタイルも多様化しており、顔の見えるつながりをつくることが難しくなっています。
市民の多様性、多様な暮らし方を考えますと、日常的な人と人とのつながりや地域コミュニティの強化が重要で、災害時においては、その有効性が発揮されることから、地域力の向上は、防災力の向上であると考えております。
令和7年度予算においては、地域コミュニティの根幹である町会・自治会への支援、また、ほとんどの町会長・自治会長に代表を務めていただいている自主防災組織に交付している補助金の増額、外国人向けの防災啓発動画の作成など、地域コミュニティへの支援と市民の多様性を考慮した施策を評価いたします。また、総務部に、防災危機管理担当の総務部参事が配置されること、個別避難計画策定の推進についても、防災力の向上であると評価し、その取り組みに期待いたします。地域力・防災力をさらに向上させるため、町会・自治会への支援とともに、さまざまある地域団体とをつなぐ取組について研究していただくよう要望いたします。
警察庁・厚生労働省の自殺統計では、令和6年の児童生徒の自殺者数は527人と過去最多となる見込みであると公表されました。生きづらさを抱える子どもたちが大勢いる現状があります。このことからも、児童生徒一人ひとりに寄り添った支援と居場所の充実、だれ一人取り残さないきめ細かな教育の充実が重要であると考えております。
教育施策については、東京都で初の設置となる学びの多様化学校設置のための準備、校内別室における支援員の配置の継続、市の独自予算を編成して取組を継続していただくスクールソーシャルワーカー事業など、子ども一人ひとりに寄り添う取組として高く評価いたします。
今後も、人材配置のための柔軟な予算編成に期待いたします。
また、審査中には、施策全体としても子どもの居場所となる多くの取組を確認することができました。
地域力、防災力の向上に資する取組と、児童生徒一人ひとりに寄り添う「だれ一人取り残さないきめ細かな教育の充実」に資する取組について評価し、令和7年度一般会計予算について賛成であることを申し上げまして討論といたします。