聴導犬の仕事から学ぶ「音のない世界」
福生市輝き市民サポートセンターは、まちづくり、環境、福祉、社会教育、文化、国際協力、災害救援など、あらゆる分野の公益的な市民活動をサポート・支援するための施設で、活動のための打ち合わせや印刷作業、情報収集・情報発信、他団体との交流の場となっています。
また、市民活動に関する相談や市民活動の理解と参加促進を図るための研修会や講座なども開催されています。
1月25日、同センターが開催する市民活動トーク(講座)に参加しました。
テーマは『聴導犬の仕事から学ぶ「音のない世界」』
聴覚障がい者をサポートする聴導犬の活動を知り、「音のない世界」を生きる人の日常生活を理解することで、障がいの有無にかかわらず、誰もが豊かに生活できる社会を目指していくことの実現性について考える講座です。
講師は、日本聴導犬協会の野崎さん。
まず初めに、全国で盲導犬の数は800頭から900頭、介助犬は50頭から60頭、
聴導犬は50頭から60頭といわれ、まだまだ認知度は高くない状況であるため、みなさんに知ってもらい、理解を広げたいとの思いをお話しされました。
日本聴導犬協会は、寄付や募金等で運営されています。
主に保護犬や譲渡犬を活用し聴導犬と介助犬を育成、聴覚障がい者や支援の必要な人の生活の質の向上のため無料で貸出しています。また、動物福祉の向上にもなっています。
2週間の滞在訓練があり、その間に聴導犬になれるかどうか判断されます。
大きな音が苦手、怖がり、体質など聴導犬としては不適合だった場合には、新たな飼い主「新家族」に引き取られます。この「新家族」も募集しています。
また、子犬を1から3か月あずかる「ソーシャライザー」と呼ばれるボランティアさんもいます。
保護犬が多いので、さまざまな家庭を体験し、人に慣れるようにしています。
1年から2年ほど訓練を受け、聴導犬として必要としている人に貸し出されていきます。
聴導犬は、聴覚障がい者にタッチして、生活に必要な音を伝える役割をしています。
例えば、玄関のチャイム、目覚まし時計の音、料理のタイマー、ドアノック、カギなど手元から落とした音、赤ちゃんの泣き声、呼んでいる人のところまでつれていってくれるなど、ユーザーの生活を24時間支えます。
また、心の支えにもなり、周囲の人との温かいつながりも生まれるなど、多くのメリットがあります。
聴導犬を必要としている人の全国的な調査はありませんが、イベント開催時のアンケートでは回答者の68%の方が「聴導犬が欲しい」と回答しているとのこと。
今後は、聴導犬への理解を広げるとともに、ボランティア等の関わる人も増やしていく必要があると感じました。
今年は、デフリンピックが東京で開催されます。
聴覚障がいへの理解を広げる機会にしたいと思います。

講師の野崎さんとユーザーさんと聴導犬のテラちゃん