市民の安心はどこに・・・
4月10日夕方、福生ネット事務所で作業をしていた私はヘリコプターの音が気になっていました。
7時ごろ自宅近くまで来ると、ヘリコプターが2機、上空を旋回しているのが見えました。横田基地の方向ではないし、羽村の方だな・・・と思っていました。
しかし、ニュースを見て驚きました。羽村市の公立中学校敷地内に、パラシュートが落ちているのを中学生が見つけたというものでした。
横田基地での人員降下訓練は、年に数回行われていて、9日に訓練がある旨の事務連絡が届いていました。前回の訓練では、物資を投下する訓練がされ、パラシュートから物資が外れる事故が起きていました。落下したのは基地内だったため、大事には至りませんでした。
福生市と近隣自治体の住民は、事故の危険と隣り合わせに暮らしているのだということを実感しました。
米軍横田基地へのオスプレイ配備計画は2015年当初、2017年後半に配備を開始することになっていましたが、昨年3月には2020年に延期すると発表していました。しかし、今月4月3日に突然、横田基地への配備を前倒し、2018年今年の夏に配備すると発表しました。4日には、横浜の米軍施設に5機が陸揚げされ、5日横田基地へ飛来しました。今後10年間で合計10機が配備される計画です。
配備の理由は安全保障上の問題と自然災害に対応するためとしています。市街地にはオスプレイが着陸できるような地面が確保できるかどうかも検証されていない状態で自然災害対応というのは、多くの自然災害を経験してきた日本にとって納得できる理由ではありません。
防衛省は3月中に情報を得ていたと報道されていますが、福生市と隣接する自治体への情報提供等はありませんでした。
東京都知事と横田基地に隣接する5市1町で構成する「横田基地に関する東京都と周辺市町連絡協議会」は、配備に関するコメントを発表し、オスプレイ配備や運用について国に口頭で要請しました。
そのような対応の中、福生市・加藤市長は9日、防衛省地方協力局長を訪問し速やかに情報提供すよう求めたとの報道がありました。市域の3分の1を横田基地に提供している福生市。連日、軍用機が上空を行き来している現状と市民の安全、安心した暮らしを考えればこそであろう市長の防衛省地方協力局長訪問を心強く思う市民は多いのではないかと考えています。
4月5日、横田基地第5ゲートから300メートルほどの場所にある福生ネットの事務所にいた私は、大きな音に驚き窓から空を見上げました。その音に、オスプレイであることがすぐにわかったからです。機体は確認できませんでした。
2015年は4月に統一地方選挙があり初当選させていただき、そのような中オスプレイ配備計画が発表され、私も未熟ながら福生ネットとして、また市民と連携してさまざまな動きをつくりました。
福生市議会としても、オスプレイ配備撤回を求める決議を全会一致で採択しています。
その時のホームページに記載した文を再掲します。
また、福生ネットとして加藤市長に要請を行っていますので、要請文も掲載いたします。
以下、2015年のホームページより
5月9日の突然の報道により、米軍横田基地へのCV-22オスプレイ配備計画を知り、各会派へ「反対の声をあげましょう!」と働きかけるのが、私の最初の議員活動となりました。その後、6月9日の本会議初日、全会派一致で決議を採択しました。
5月19日には、福生・生活者ネットワークとして、福生市長に対し、断固反対の態度をとり続けるべきとする要請書を提出しました。加藤市長は、国からの説明は、具体的な訓練内容等はまったく示されず、不充分なものだったとのことで、国と地元自治体との温度差を、今回も痛感することとなりました。
初議会の一般質問でも、基地機能の強化の現状を取り上げました。これまでも、昭和48~53年には関東一円の軍事施設が横田に統合され、また平成23年からは、航空自衛隊航空総隊司令部が移駐し、米軍と自衛隊の併設基地となるなど、段階的に横田基地は強化がされてきた経緯があります。 そして、当初760名程度とされた自衛隊員数は、現在900名を超えていることも質疑の中で明らかにされました。オスプレイ配備に伴っても約400名の米軍人・軍属が増えるとされており、人数だけ見ても、どんどん基地の増強が行われていくことが明らかです。
生活者ネットワーク三原と共産党2名 市民派クラブ1名の議員で、「集団的自衛権行使容認を柱とする安全保障関連法案の慎重審議を求める意見書」の提出を議員提案しました。オスプレイ配備には全会一意で反対を表明した議会でしたが、19人中15人が自民系会派と公明党の福生市議会で、こちらの意見書は反対されることが予測されます。安保法制については、こうした現状を抱える福生市からこそ、慎重審議を求めるべきとして、市民の会から議会へ陳情も出されました。
今後も市民と連携し、軍備増強に反対の声をあげていきます。
以下、2015年5月に提出した要請文
市長 加藤 育男 殿
垂直離着陸輸送機CV‐22オスプレイの横田基地配備に反対する要請
2015年5月9日横田飛行場へのCV-22オスプレイ配備報道、そして、12日になって外務省北米局参事官、防衛省北関東防衛局長が、横田基地周辺自治体(立川市、昭島市、福生市、武蔵村山市、羽村市、瑞穂町)を突然来訪し、2017年後半に3機、2021年までに7機、合計10機のCV-22オスプレイが、横田基地に配備されることを説明しました。
CV-22オスプレイは、米空軍の特殊作戦部隊が使用するものとされています。4月に日米両政府が合意した「日米防衛協力のための指針」では、「自衛隊と米軍の特殊作戦部隊は、作戦実施中、適切に協力する」と明記されており、特殊作戦部隊で使う米空軍オスプレイが配備されることは、日米の軍事的な連携は一層強化されていくことを意味します。加えて、日本においても戦争ができる国に形を変えようとする法改定の国会審議が始まっています。ますます、基地周辺をはじめとする住民の平穏な生活を、脅かす状況になることが懸念されます。
そして、今回の10機の配備は、すでに普天間基地に配備されている24機に加えての配備であり、沖縄の負担軽減には繋がらず、日本国内における米軍の軍備強化でしかありません。
さらに、この米軍の決定に伴う日本政府の対応は、周辺自治体や住民を無視、国民不在の政府決定がなされ、到底容認できるものではありません。そして、そうした住民の感情を逆なでするように、今回の報道と前後する時期に何度もオスプレイを横田基地へ飛来させていることも、まったくもって、失礼極まりない行為です。
加藤福生市長におかれましては、これ以上の基地強化に繋がり、住民の安全の確保ができないオスプレイの配備については、反対の立場を明確にされていることと、存じ上げますが、今後も、日本政府、米国政府に対して、垂直離着陸輸送機CV-22オスプレイの横田基地への配備の撤回を断固求め、配備の了承をすることのないよう要請するとともに、国等への情報収集をこれまで以上に徹底し、新たな情報については、議会や市民へ迅速にお伝えいただくよう、お願いいたします。
2015年5月18日
福生・生活者ネットワーク
代表 ・ 市議会議員 三原 智子
事務局長 黒澤 泰子