地域で気になる家庭への子育て支援

福生市要保護児童対策地域協議会・立川児童相談所共催研修会に参加しました。
724日もくせい会館にて)

要保護児童対策協議会は、民生・児童委員や保育園、児童館など、子どもと家庭に関係する機関が連携して児童虐待の防止や早い時期から適切な支援が行えるよう設置されています。

この日の講師は片倉昭子さん。臨床心理士で、東京都児童福祉専門員・社会福祉法人子どもの虐待防止センターの理事として活躍されています。平成18年3月まで東京都に4つある児童相談所で心理職・児童福祉司として勤務され、子どもの虐待について多くの現場経験があります。

立川児童相談所に寄せられる相談は児童虐待のほか、非行相談、知的相談などもあります。


虐待の気づきのポイントは3つの変。
「子どもがなんとなく変」
「保護者の様子がなんとなく変」
「状況が変」

虐待には被虐待体験や親子の早期分離歴、精神疾患などの親の要因と、DVや低収入などによる生活のストレス、育児の相談者や協力者がいないなどの孤立家庭、育てにくい子や手のかかる子などの子どもの要因があげられます。
虐待の影響は、「生命」に関わる問題は全体の6~7%、その他は子どもの「育ち」に関わる問題。育ちに関わる問題の場合は家庭で暮らしているので、地域の支援が大切になってきます。

講演の後は、グループでのワークショップ。テーマは「発達障害の子どもを抱える家庭からの相談とその対応」についてで、今までにそのような相談のケースがあったかどうか、どのような対応をしたかをグループで話し合いました。

参加者は、多くの子どもたちと関わり、相談を受けることの多い立場の方ばかりですが、相談のケースは1件ずつ違っています。家庭の事情も子どもの事情も違っています。様々なケースを共有することで、疑似体験し、自分の経験にしていくことができるといいます。

虐待は外から見えにくい場合が多く、子ども自身もそれに気づいていない場合が多くあります。虐待を受けている子どものほとんどが地域の中で暮らしていることを考えると、気になる家庭への支援の仕方を考えることが大切です。また、孤独な子育てにならないよう、地域で顔の見える関係を築くことや、子ども自身も地域とつながることが大切であることが分かります。

子どもとおとな、地域と家庭、学校と家庭、地域と学校が上手に連携していくには、いろんなことに寛容な社会をみんなで築いていかなければならないと思いました。子どもは、地域社会みんなで守らなくてはいけませんね。子育ては、社会の仕事でもありますから!