杉原千畝と「善の連鎖」

ドイツ国際平和村を日本から応援し、日常の中から平和の意識を創りたいと活動している「ドイツ平和村をサポートする会」主催のセミナーに参加しました。

セミナー翌日には、ユネスコの国内委員会が「故・杉原千畝の資料」を2017年の記憶遺産候補としたことを発表しました。(「上野三碑」とともに2件)

講師は、命の尊さ・心の弱さ・思いやる心・多様性・平和をキーワードに、学校や自治体等からの依頼を受け、命と人権の教育活動を行っている「NPO法人ホロコースト教育資料センターkokoro」の石岡史子さん。
一昨年、市内で開催された「ハンナのかばん」のセミナーにも参加させていただきましたが、戦時下での人の弱さや憎しみの心、反対に強い心や愛情、平和の大切さを感じる時間でした。

今回のセミナーでは、杉原千畝の人物像やユダヤ人にビザを発給するまでの心の葛藤、また、ユダヤ人が他国へ脱出し、安全な地に着くまでに手を貸した人たちの、様々な「善の連鎖」が映像を交えて語られました。
福井県敦賀市に着いたユダヤ難民の当時の様子や、その後を追って取材した様子など、貴重なお話を聞くことができました。
ユダヤ人の教えに「一人の命を救う者は、世界を救う。」という言葉があるそうです。その教え通りに、その後を追った難民の一人はたくさんのお孫さんに囲まれた大家族になっていました。

当時オランダで医学生だったマリオン・プリチャードさんは「私たちは誰でも、人道にかなった振る舞いをする責任がある。それは自分に対する責任だ。すべきことをしなかったということは誰にでもあるだろうが、それは生涯、心のどこかに引っかかっているものだ。」と話しています。
心に引っかかりのないように、日々過ごそうと思います。