令和2年第3回定例会 9月議会報告
9月1日から29日まで、9月議会が開催されました。
新型コロナウイルス感染症対策として、3月、6月議会に続き、予定を短縮しての開催となりました。一般質問は、通常60分の時間制限ですが、30分までに短縮して行いました。また、決算審査特別委員会と常任委員会では、議案の説明を省略し、時間の短縮を図りました。
3月からご遠慮いただいていた傍聴は、感染防止のための対策を万全にし再開しました。
議会の傍聴は、民主政治にとってとても大切です。また、市民の主権を守るため、議会の開催は重要です。新型コロナウイルス感染症による不測の事態に備えるため、一般質問の制限時間や審議時間の短縮という難しい判断をせざるを得ませんでしたが、感染症対策と民主政治のバランスをとっての議会運営を考え提案していきます。
★補正予算
令和2年度一般会計補正予算(第6号)は、新型コロナウイルス感染症対策のために中止となった事業の減額補正が主な内容でした。また、補正予算(第7号)は、10月1日から始まる高齢者インフルエンザ予防接種事業で、いずれも可決されました。
★令和元年度福生市一般会計決算審査
9月8日から10日の3日間、令和元年度福生市一般会計決算審査特別委員会が開催されました。決算全般、歳入・歳出・決算全体についての質疑の後、各部ごとの審査を行い、最後に総括質問を行いました。
本決算で特に注目した事業は、公共施設の個別施設計画策定のための地域懇談会「福生の公共施設(ハコモノ)未来トーク」で、市民への丁寧な説明と市民意見を聞く場となったことに加え、市民同士が意見を交わし多様な意見があることを認識し、計画を自分事としてとらえる機会となりました。また、2月9日に開催されたシンポジウムでは懇談会の報告もあり、市民が意見を共有する場となりました。この一連の取組は、市として初めての試みでした。市民の声を聞くことはもちろんのこと、市民同士がお互いの考えを知り、尊重し合うことで、主体的にまちづくりにかかわろうとする意識や責任感が生まれるシビックプライドの意識が高まる取り組みだと考えます。
他にも、老朽化した施設の更新や学童クラブの新設、また、待機児童対策の充実、生活困窮者に対する包括的な支援のための自立相談支援の充実、高齢者が住み慣れた地域で自立して生活できるための支援の充実、テレビ電話多言語通訳サービスの導入など、多様な市民のニーズに対応する多岐にわたる事業が実施されていました。また、福生市においては初めての避難所の開設となった台風第19号の影響による対応も確認し、決算全体を賛成としました。
本会議において、賛成多数で認定されました。
★一般質問
1、地球規模で考える環境への取り組みについて
(1)気候危機と電力調達について
気候変動から気候危機へと変わり、日本でも豪雨災害や酷暑に襲われ、身近な生活にも影響が出ています。CO2削減は喫緊の課題であることから、市有施設のCO2削減の現況について質問しました。また、再生可能エネルギーへの転換は急務であること、自治体の電力調達が重要であることから、電力調達の考え方について質問しました。
市有施設のCO2削減の現況については、第3次福生市地球温暖化対策実行計画に基づく市有施設の温室効果ガス排出量の令和2年度目標値419万723㎏CO2に対して、令和元年度時点で403万8155㎏CO2と目標値を下回っている。電力調達の考え方については、環境省が示す環境配慮方針に則り電気受給契約を締結することとしている。事業者選定については環境配慮方針に定めている環境評価項目について調査を行い、基準を満たした事業者すべてを対象としているとの回答でした。
また、パワーシフトキャンペーンの自治体調査(福生・生活者ネットワークホームページをご覧ください)の結果を受けて、独自基準や総合方式の導入等を提案しました。CO2排出量削減効果や再生可能エネルギーの導入状況、競争性の確保を鑑みて、総合方式なども含めて研究していきたいとの回答を得ました。
(2)プラスチック削減について
海洋プラスチック汚染が深刻な問題となっています。また、新型コロナウイルス感染症の拡大から、弁当購入やテイクアウトの利用により容器包装プラスチックの利用量が増えています。プラスチック問題や削減についての考え方と取り組みについてと、容器包装プラスチックの実際の増加量について質問しました。
廃プラスチックについては、適正なルートによる適切な処理を実施することで、プラスチックの持続可能な利用につなげる。指定収集袋など使用せざるを得ないプラスチックは、バイオプラスチック使用を促進していく。削減の取り組みは、イベントでのリユース食器の使用、不法投棄ポイ捨て禁止の看板設置、マナーアップ指導員による巡回、市民協働による清掃活動等を実施している。容器包装プラスチックの増加量については、令和2年度4月から7月までの4か月間を前年度と比較すると、ペットボトルは7.1t、11.9%増、容器包装プラスチックは15.5t、6.8%増である。
ペットボトルの削減に向けて、庁内や市有施設の清涼飲料水の自動販売機からペットボトルをなくすことやボトルディスペンサー付き給水器設置を提案しました。今年4月の自動販売機設置業者の入れ替えの際、ペットボトルを排除した紙カップ式に変更し、ペットボトルの削減を図った。今後も、3年ごとの事業者入れ替えの際にペットボトルの削減ができないか調整していくとの回答を得ました。ボトルディスペンサー付き給水器の設置は、市内16か所の公共施設に給水器を設置していることから考えていないとの回答でした。
2、学校と家庭の連携と相談体制について
今年3月、新型コロナウイルス感染症の拡大から臨時休業があり、児童・生徒にも大きなストレスとなりました。さらに、夏季休業の短縮や行事の中止、進路の選択等もあり、今後しばらくは、ストレスフルな生活を強いられることが心配されることから、学校と家庭がさらに連携して児童・生徒の育ちを支えることが重要だと考えます。そのような状況の中、9月1日から自動音声対応電話が導入され、各学校での教員の勤務時間外の電話対応が削減されました。保護者が、児童・生徒の様子の変化や何か問題が生じたことに気付くのは、教員の勤務時間終了後の放課後の時間が多いのではないかと推測されます。また、大きな問題に発展する前に、心配事を担任と共有することや相談することが重要で、電話対応削減が家庭との連携を後退させてしまうのではないかと危惧するところです。学校と家庭が連携して子どもの育ちを支えることについての考え方と、自動音声対応電話導入の経緯や目的、内容、導入後の相談体制、導入するとの判断に至った教員の勤務時間外の電話対応件数について質問しました。
このような状況下では、組織的に児童・生徒の実態把握に努め、臨機応変、創意工夫を発揮し児童・生徒の安全に万全を期す。学校と家庭がより一層連携して児童・生徒の育ちを支えることは極めて重要だと考えている。自動音声対応電話導入については、教員の勤務時間外の電話対応を削減することにより、働き方改革を推進させることを目的とする。保護者からの連絡は、極力勤務時間内に、ことづけや連絡帳など協力をお願いする。導入後の相談体制については、学校だけでなく現状の教育相談室の相談時間も含めて相談体制の整備充実を図らなければならないと考えている。勤務時間外の電話を調査したところ、1日1校当たり4件から5件で、内容は翌日の持ち物や相談等であった。命にかかわるような電話はなかったとの回答でした。
誰もが経験したことのない生活を強いられている今年、また、自殺予防の観点からも、導入時期が適切ではなったのではないか、子ども家庭支援センターも教育相談室も担任とも放課後はつながらなくなってしまう、放課後の相談体制を整えてから電話対応の削減を実施した方がよかったのではないかと意見し、教育相談室の相談時間の見直しなど、早急に対策を講じることを要望しました。