介護の悩み、ひとりで抱え込まないで!
「家族が語る、認知症」~介護の悩み、ひとりで抱え込まないで~に参加しました。
(9月22日もくせい会館にて)
講師は「認知症家族の会・青梅ネット」の増田信子さん、代表の長谷川正さん、原島千代子さん。
先ずは、増田さんから介護の経験についてお話がありました。
ご主人の認知症の症状に気が付いたのは、テレビ番組の中で紹介された「時計を描かせてみる」を試しにやってみたところ、文字盤が描けなかったことからだそうです。
それからさまざまな症状が出始め、介護度も少しずつ上がり、アルツハイマー型からレビー小体型へと移行していったそうです。
特に大変だったのは、勝手に外出してしまったときに追いかけること。いつも無理やり理由をつけて連れて帰ったそうです。それから排せつの介助はとてもたいへんだったとおっしゃっていました。
だんだん話のつじつまが合わなくなってきたり、信子さんのことがわからない時があったり、ご主人にだけ見えるお客様にお茶を出したり・・・さまざまな体験をお話しされました。
ご苦労されている生活のようですが、増田さんのお話は明るく、ご主人への愛情にあふれていました。
「心の中ではこんちくしょう!と思っても、いつでもニコニコしているように心がけた。毎日毎日がお芝居のようでした。」と素敵な笑顔でお話しされたのが印象的でした。
NHKハートプロジェクト「HNK介護百人一首」で増田さんの歌がいくつか紹介されていました。
そのひとつ・・・
『一皿に ビタミンミネラル 皆乗せて 仕上げにトロミと一匙の愛』
代表の長谷川さんは男性参加者からの質問に答え、奥様を10年介護された経験をお話しされました。
男性の場合は母親か妻か女性を介護することになると思うが、女性特有の病気にかかった時が大変だった、とその時のことをお話しされました。
排せつはうまくいっているのに、おむつが汚れることから訪問指導員に相談。婦人科を紹介してもらったがすぐにそちらには行かずに、先ずはかかりつけ医に相談して紹介状を書いてもらってからと、アドバイスを受けたそうです。そうすることで、かかりつけ医に情報が蓄積されていき、診察の際の判断にもつながるのだそうです。
「介護生活は長くかかる。必要なのは支援と伴走者ではないかと思う。家族会ではみんなが同じような立場で愚痴を言ったり、経験を話したりすることで、分かち合ったり心が軽くなったりする。福生でも家族会ができるといいですね。」との言葉が印象的でした。
長谷川さんは、会の最後に介護保険法の総則に触れ、「この法律は、加齢に伴って生ずる心身の変化に起因する疾病等により要介護状態となり、入浴、排せつ、食事等の介護が必要なものについて、尊厳をもって、能力に応じ自立した日常生活を営むことができるよう、必要な保健医療サービス及び福祉医療サービスにを受けることができると書いてある。尊厳をもってというところが大事。受けられるサービスはいろいろある。一人で抱え込まないで、先ずは何でも相談することが大事です。」とおっしゃっていました。
参加者からは、家族会を立ち上げたいとの声も聞かれました。9月議会では「ケアラー支援について」取り上げましたが、地域包括支援センターもサポートし、つながっていけたらと思いました。
講師の増田信子さんとご主人は、偶然にも20年前に亡くなった私の父の友人で、会が終わってからお話しさせていただきました。旅行に行ったことなど懐かしくお話しいただき、覚えていただいていたことにたいへん感謝いたしました。認知症の進んだ母に話しましたが、やっぱりわからなかったようです。
「加齢に伴って生ずる心身の変化に起因する疾病等」
誰にでも老いはやってきます。介護する側もされる側も希望を持って暮らせる社会のために、使いやすい制度の充実と介護者への支援、地域のつながりの大切さを改めて感じました。