自転車・古民家・道の駅~魅力を活かすまちづくり~
まちの魅力づくり対策特別委員会で、滋賀県米原市と守山市に行政視察に行ってきました。
(5月10~11日)
滋賀県の事業を活かして琵琶湖周辺の自治体が連携し、また、独自にまちの魅力を活かすまちづくりを進めていました。
観光客だけでなく市民も活躍できたり楽しめたり・・・協働で進める事業も魅力的でした。
福生市は西多摩の入り口。
西多摩の観光拠点となるような取り組みにも、視察で得たものを活かしていきたいです。
以下、視察報告
まちの魅力づくり対策特別委員会視察報告書
1、期間 平成30年5月10日(木)~11日(金)
2、視察先 ①滋賀県米原市 ②滋賀県守山市
3、目的 ①自転車による観光対策及び道の駅等の観光資源・拠点を活用した回遊ルートについて
②自転車を中心としたまちづくり及び古民家の活用について
4、視察概要
①米原市・自転車による観光対策及び道の駅等の観光資源・拠点を活用した回遊ルートについて
米原市では「地域資源を磨き生かしたおもてなしのまち」を目指す姿とし、「体験型交流観光」「観光イベント支援事業」「広域的な観光振興」「特産品の販売促進」「伊吹山を活用した観光促進」「水源の里として水にまつわる観光促進」の6つの事業を展開している。その中の1つである「体験交流型観光」として、サイクルツーリズムの取り組みを視察した。米原駅の利用促進と活用を考え、米原駅にサイクルステーションを整備。NPO法人五環生活と市が締結している協定書の基づき運営されている。運営に関する補助はなく、レンタサイクル事業収益で運営されている。利用者の8割は鉄道利用者で、利用者の大半が1泊2日でビワイチをされている。 平成27年12月にはモンベルグループと連携。平成28年10月にはジャパンエコトラック「びわ湖・伊吹山」登録。伊吹山には市民も活用できる道の駅を整備。広域的な連携を推進した、新しい人の流れと地域の活力づくりを目指している。
②自転車を中心としたまちづくり及び古民家の活用について
守山市では、『サイクリングは、環境に優しく、「健康」「生きがい」「友情」を与えてくれる』という自転車新文化を広げたいとの考えから、自転車を活用したまちづくりを展開している。ビワイチサイクリスト1番の人気スポット「琵琶湖大橋」の袂に位置し、『ビワイチ起点のまち守山』をキーワードにしまなみに次ぐ聖地となるため、自転車を軸としたまちづくりを開始した。 推進のための整備として、安全対策とおもてなし体制の充実をかかげた。特に県と近隣自治体との連携が強化された。『ビワイチプラス』をキーワードに内部へもサイクリストを誘導し、県内のコンビニエンスストアや道の駅、飲食店、宿泊施設など100カ所以上でトイレや更衣室の利用、また、空気ポンプや工具の貸し出し等を行うサポートステーションを整備。自治体間連携の強化と民間企業との連携、広域連携によるインバウンドの誘致を行い、戦略的に連携している。 市民へは、自転車購入時の補助制度を導入している。 古民家「うの家」は指定管理者による運営がされ、中心市街地活性化推進の中心となっている。飲食店等の商業施設と市民等による文化活動が行えるスペースがあり、観光客だけでなく多くの市民にも利用されている。 利用しながら保存すること、人が集まることへの近隣住民の理解促進が課題だ。
5、所感
米原市では先ず、米原駅に整備されているサイクルステーションを見学した。手作り感のある施設と看板がとても印象的だった。年間貸出数は約2,200台だが、平成30年度のゴールデンウィークは約330台と過去最高の実績だった。サイクリストが増えていると考えると、まだまだ力を入れても良い事業だと感じた。 現在、NPO法人五環生活へは、無償で市の土地を提供し運営してもらっているが、軌道に乗り、ゆくゆくは借地料を徴収したいというのが市の考えだ。協働し、その後切り離していくことは、とてもよい関係性だと思う。 他にも市民協働提案事業「マイクリング・プロジェクト」が実施されている。これは、米原とサイクリングを合わせた造語だそうだが、サイクリングマップの作成からツアーやイベントの実施、プロモーション動画の作成等様々な活動をしている市民団体と協働している事業だ。また、昨年10月に企画された「グルメライド」(悪天候により中止)も市民や市内事業者と協働した事業だ。観光客に目を向けすぎると市民が蔑ろにされがちだが、市民も楽しんで参加できるような仕掛けは、とても参考になると思った。道の駅でも、市民の作品が販売されていたり、利用できるスペースがあったり、同じことが言えると感じた。 守山市では、琵琶湖畔に「びわ湖サイクリスト聖地」の碑と案内図を設置。案内図には、ビワイチ発着の地と記され、サイクリストに「訪れたい!」という気持ちにさせる仕掛けであると思った。また、琵琶湖畔に業界大手の民間企業を誘致したことは大きな成果ではないかと思う。 県全体での取り組みである「ビワイチプラス」を積極的に実施し、守山市を発着とした推奨コース全6コースを提案するマップを作成した。このマップはスマートフォンサイズで水に強く、持ち運びの便利さを考えて作られている。市内の交流人口を増やす工夫は大変参考になると思った。 自転車以外の交通手段でも、自転車を持ち込める近江鉄道のサイクルトレインや琵琶湖の定期船もあり、観光と生活と両方に便利になっている。 今回の視察では、サイクリストが集まる琵琶湖周辺の自転車によるまちづくりや観光客と地域住民にも利用される道の駅、観光客と市民が集う古民家などとても参考になった。福生市は、片倉シルク号の地でもあるので、自転車を活用したまちづくり等を積極的に考えていきたい。