地域の教育力を活かす・ⅠCTを活用する・・・総務文教委員会視察報告
所属している総務文教委員会で、10月11日・12日の二日間、愛知県北名古屋市では『コミュニティスクール』を、小牧市では『ICT教育』を視察してきました。
福生市はコミュニティスクール制度導入の2年目。四小と六小が指定されていて、全校が順次制度導入していきます。
コミュニティスクールは学校運営協議会が設置された学校のことで、福生市ではこの協議会をコミュニティスクール委員会と呼んでいます。この委員には地域の住民や保護者など教育委員会から任命された人で構成され、学校運営に関して校長に意見を言うことができます。
すでに設置されている学校支援地域組織でコーディネーターが、学校のニーズに合わせて地域の力と学校をつなげます。また、地域の課題解決のために学校と地域をつなげます。
この二つの組織がそれぞれ学校と協働して子どもたちの豊かな学びをサポートします。
コミュニティスクールは、家庭・学校・地域が一緒になってより良い学校づくりを行うことによって、学校を中心とした地域づくり・まちづくりをしてくための制度です。
●北名古屋市・コミュニティスクールについて
北名古屋市では、平成24年度より学校支援地域本部を設置し、従来の学校支援の取り組みの継続と更なる推進のために、「市民協働による学び支援推進事業」をスタートさせました。子どもたちの「生きぬく力」の向上、家庭の「教育力の向上」、地域の「絆」の強化を目指すため、学校・家庭・地域が協働で、子どもたちの学びを支えています。この学校支援地域本部と学校運営協議会(コミュニティスクール)が、それぞれの強みを生かしながら一体的に取り組んできました。
平成28年度以降は、学校支援地域本部を発展させた地域学校協働本部を設置し、「支援」から「連携・協働」へと、個別の活動から「総合化・ネットワーク化」を目指す。コーディネーター機能が充実されるよう、統括コーディネーターと地域コーディネーターの連携、配置の拡大を図りました。地域全体で「子どもの夢に向かって生きぬく力・学力を育む」活動を取り組む事により、子どもたちの豊か育ちを確保するとともに、そこに関わる大人たちの成長を促すことのもつなげています。
「市民協働による学び支援推進事業」に取り組む中で、地域住民や保護者の力を学校運営に反映させ、学校運営協議会と地域学校協働本部が一体となって、コミュニティスクールを進めています。また、北名古屋市豊かな学び創造推進協議会では市民活動推進課や家庭支援課が参加するなど、いろいろな分野のおとなが子どもたちのために連携していて、平成29年度4月から全校設置となりました。
北名古屋市では、学校支援地域本部を発展させた地域学校協働本部を設置したことにより、学校教育ではありますが協働するということに重きをおいていると感じました。学校と地域が対等な関係であるという考え方の下、地域は学校のニーズに応え、地域の問題を学校と共有していました。
福生市でも中学生の職場体験の受け入れを引き受けて頂くために先生方がご苦労されていますが、北名古屋市では市の広報を活用して職場体験協力事業所の募集を行い、協働推進課で受け付けていることにとても驚きました。また、豊かな学び創造推進協議会では、教育や子どもの育ち、家庭と地域の教育力や絆といったことを、課を超えて共有していくことのできる素晴らしい取り組みであると感じました。
「教育委員会が縦割り意識をなくすこと」という教育長の言葉にその思いの強さを感じました。コミュニティスクール制度は、ただ子どもたちのためだけでなく、地域を活かしていくまちづくりだと再確認しました。福生市は制度導入2年目で、今後、順次全校で導入されていきます。ただ学校が地域のお世話になるだけでなく、福生らしいまちづくりにつなげていけるよう、今回の視察で得たものを活かし、提案していきます。
福生市では子どもたちの「確かな学力」定着のため、ⅠCTを活用した教育に取り組んでいます。
タブレット端末を活用し、一人ひとりの学習に合わせて指導ができるほか、家庭学習で活用することによって家庭環境に左右されない学習ができます。
小牧市では教務での活用を進めていて、今後の福生市でも進めていくことが検討されています。
●小牧市・ICT教育について
小牧市では、平成10年から教務の省力化として、教務の情報化システムの開発を開始しました。その後、スクールネット・ライブラリの運用開始やスクールWebアシストの運用開始等を経て、平成22年にWeb小牧教育センターの運用を開始しました。
教員は一人1台のパソコンを使い、グループウエアで情報を共有しています。事務的な連絡事項の伝達などがグループウエアで伝えられるため、会議等にかかる時間の節約ができました。また、クラス名簿や出席簿などの電子化により、集計や報告書にかかる手間も軽減されました。このことにより、子どもたちと向き合う時間が増えたことが大きな成果です。
ネットワークを活用して、児童・生徒のやる気を引き出すために始まった「いいとこ見つけ」は、その効果だけでなく、通知表の電子化で教務の効率化が進むとともに、子どもたちと保護者の信頼も獲得しています。
教務での活用だけでなく、デジタル教科書を活用した授業やプログラミングを体験する授業等も取り入れています。それらを含めた授業の様子を日常的にホームページで発信していて、学校としての説明責任を果たしています。
小牧市では、教務にICTを活かすことで子どもと向き合う時間の確保ができ、さらに授業に活かすことにつなげていました。大型モニターに教材を映すことや児童のノート等を映し他の児童が課題を共有し、有効に活用されていました。プログラミングの授業での教材も工夫されていました。
「いいとこ見つけ」は一人の児童に対してすべての教員がコメントでき、通知表となって保護者へも届いている。子どもと保護者の信頼を得ているのはもちろんのこと、教員が一人の児童について情報を共有できるメリットがあり、それはとても有効であると感じました。
ホームページでの発信がタイムリーで、視察受け入れの情報も、数時間後には反映されていました。
これだけのシステムを福生市で導入していけるのかは大がかりな予算編成が必要になるであろうと考えます。しかし、児童・生徒一人ひとりに対してきめ細かく指導・支援していくには、とても有効であると感じました。福生市の現状と併せて考えていき、この学びを活かしていきます。
小牧市では、『Komaki』の上に「キミと一緒に、育っていきたい。」と書かれたロゴが目につきました。子どももまちづくりのパートナーですね!