自治体の『財政』ってなに?

講師の今村寛さん

SIMふくおか2030 シナリオや事業が記載されたカードが配られ、年度ごとに予算案をつくっていきます。

自治体の『財政』ってなに?「財政出前講座+SIMふくおか2030体験学習会」
に参加しました。(2月4日 自治大学にて)
主催は、多摩地域の自治体職員有志で「まなぶ。つながる。はじまる。」を合言葉に活動する団体「タマガワリーグ」。今回の学習会は、第2回目となります。

この日の講師は、福岡市の今村寛さん(経済観光文化局総務部長兼中小企業振興部長で、前財政調整課長)で、タマガワリーグの幹事12名を含む約100名、主に自治体職員ですが、市議や民間企業職員、NPO職員等も参加しました。

先ずは、財政に関する出前講座として「財政健全化ってなんだろう?」と題しての講座がありました。
福岡市を例にあげ、財政構造、健全化の取り組み、今後の財政の見通し、健全な財政運営に向けた取り組みの4つの項目について解説していただきました。
社会保障関係費や公共施設等の改修・修繕費などの経常的経費の伸びが一般財源総額の伸びを上回ることから、財政健全化の取り組みをさらに行わなければ政策的経費に使える財源は次第に減少していく傾向にあるとの解説をグラフを見ながら聞きました。数字だけで見るよりもよくわかりました。そして、政策的経費に使える財源が減少すると、重要施策の推進や新たな課題への対応に必要な財源が不足し、「生活の質の向上」と「都市の成長」が実現困難な状況になるとのことでした。
さらに、現行の予算制度の課題と解決に向けた取り組みの解説があり、使える財源は限られているということを確認しました。
「スクラップ&ビルド ではなく ビルド&スクラップだ!」とおっしゃっていました。

そして次に、「SIMふくおか2030」を体験会に移りました。
「SIMふくおか2030」は、架空の自治体「えふ市」の2030年までを体験するゲームです。
6人ずつのグループになり、それぞれが幹部職員・局長になり、政策課題対応のため他の局長との対話で事業の取捨選択を行い、理想のまちづくりを行います。必要な経費をねん出するためには、事業を廃止するか、借金を借り入れるかどちらかしかありません。1ラウンドで5年が経過し、1年は現実の5分間です。予算案は議会で説明し、可決されなければなりませんので、説明のための議論も尽くさなければなりません。
「財政局長を命ずる 他の局長と協力し 遊び心を忘れず 市民の総幸福量の最大化に努めよ」私の引き当てた市長からの辞令には、そう書かれていました。
シナリオに沿ってゲームを進めます。新たな事業を起こすか否か、事業化する場合はどの事業をやめるのか、借金するのか・・・局長たちが対話をしながら進めます。自局の残したい事業の説明、市全体の利益と市民への説明(議会への説明)をどうするのか、理解は得られるのかといった白熱した議論が繰り返され、さらに議会への説明を行い1ラウンドが終了です。
議会前には、「新人議員のみなさんへ」と書かれた質問例が配られ、質問のポイントも解説されました。
2030年、最後の課題は・・・

今後、ゲームを体験する方のために、最後の課題は明かさないことにしましょう。

これまで参加した財政に関する学習会では、具体的に数字を追い課題を見つけていくものでしたが、今回の出前講座と体験会は財政の仕組みを体感するもので、限りある財源をどう使うのか、市民にどう説明するのかというところがとても勉強になりました。
とても楽しく体験させていただきました。
予算での質問のポイントも学びましたが、3月議会の予算審査特別委員会の中ではあまり活かすことができなかったかもしれません。今後の決算審査・予算審査でも活かしていけるように、頑張りたいと思います!